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71 人中、64人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ゆずは黄色の花の中に,
By 風花(fu-ka) (福島県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 長い長いさんぽ ビームコミックス (コミック)
「ゆずとの最後の日々」本の帯は、便利です。 とりわけビニールカバーに覆われて中身が伺えないコミックスでは、帯の文句が購入するか否かを左右することも多いのですけれども、時にあまりにも明快に雄弁に語り過ぎてしまうこともあります。 ちょうど本作品のように。 須藤さんとゆずに出会ったのは、私が高校生の頃、母が購入してきた猫の雑誌でした。 「ちょっとおみそが小さい」と言いながらも、愛猫に(時に過剰な?)愛情をたっぷりと注ぐ漫画家さんと、少し臆病だけれど元気いっぱいなオス猫さんのやさしい暮らしぶりを毎月楽しみにしていました。 それから幾年も経って、もう母も大切に飼っていた私の猫もこの世にはいなくなってしまいましたが、折に触れて「ゆずは今どうしているんだろう。」と思い返していたのです。 帯を一見して、とうとうその時が来てしまったと思いました。 もう中身は読まなくても解ります。 きっと私は悲しい思いをするでしょう。 そうは思いましたが、結局私は本作品を購入しました。 ・・・ゆずは、16歳まで生きていてくれました。 晩年まで元気いっぱいで、須藤さんの愛情を変わらず受けて、幸せに生きていてくれました。 ゆずの魂が離れる瞬間の時の事について、須藤さんの感じた痛みは、後悔は、きっとどんな風に別れが訪れても、みんなが感じるものではないかと思います。 たとえ手厚く看護をしても、何度病院に連れて行っても、「あのときああしていれば」という後ろめたさから逃れることは出来ないのではないか、と思うのです。 『長い長いさんぽ』前後編を読みながら、私は予想通りボロボロに泣きました。(このレビューも涙ぐみながら書いている始末です。) 悲しいと言うよりは、痛かった。須藤さんの痛みが突き刺さるようでした。 けれども本作品を読んで、中でも最後の『ゆずとまま6』を読んで、救われたような気も、また、しました。 須藤さんは一人ではないし、ゆずからもらっていたものつながっていたもの全てを失った訳では決して無いからです。 ゆずは絶対に幸せだったはずです。 この作品を読む人は、これから黄色い花を見るたびに、山吹の花を見るたびに、きっと少しの胸の痛みと、暖かな懐かしさと優しい想いを抱くのだろうなぁと思います。
46 人中、41人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
飼い主とは、死とは、人とは。,
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レビュー対象商品: 長い長いさんぽ ビームコミックス (コミック)
漫画家さんが描いた、ご本人の飼っていた猫のお話です。物語は猫が死んでしまう数年前からかかれてありますが、メインは飽くまでも猫が死んでしまうあたりからです。 一度読んで泣いて、また読んで泣いて。 どれだけ時間を置いても読む度に涙が流れてきます。 それは作者の方が日記のようなエッセイではなく、ちゃんと物語として描いてくれているからでしょう。 愛猫の死を迎えて、大抵の方は日記のように思ったことを描くでしょうが、この作者さんは死をうけいれようとする自分を俯瞰視するように客観的に分析して描いて、物語として見せてくれます 自分を物語のキャラクターとして見ているという事ですね。 底には確かにキャラクターの気持ちの流れ、移り変わりが描かれています 愛猫の死から、ここまで気持ちを持っていくのはどれだけ体力が必要な事か・・・ 動物が好きだったり、飼っていたりする方であれば、是非お薦めします。 あまりに残酷な現実、それに耐え切れずに多分99%の方が涙を流すでしょう。 主人公の女性(作者さん)の気持ちに自分の気持ちをきっと重ねます。 死を扱う事で涙を誘うのは「ずるい」手法かもしれませんが、それを踏まえても充分納得できるくらい「死」というものを考えさせてくれます きっと、あなたの愛読書になる筈です。
31 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
さすが、プロ!,
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レビュー対象商品: 長い長いさんぽ ビームコミックス (コミック)
私が須藤真澄という漫画家を知ったのは「ゆず」からでした。その後、彼女のコアなファンタジー作品の数々、「おさんぽ大王」「てぬの細道」などのエッセイ漫画も一通り読みあさり、精緻な画力、しっかりしたデッサン力、卓越したストーリーテラーぶりにすっかりファンとなりましたが、私にとって須藤漫画のプラットフォームはやはり「ゆず」であったことは否めません。 だから、この作品を読むのには、かなり勇気がいりました。まるで、まだ小さかった甥っ子・姪っ子のお葬式に出席するかのような気持ちになってしまったからです。 ゆずのお葬式に参列するような気持ちで読み始めました。 ところが、いつの間にかこれを「作品」として楽しんでいる自分に気づきました。 さすがはプロです。身を切るような辛く悲しい実体験をもとに書いてはいますが、それでも読者が安心して楽しめるように(つまり、笑えるように)工夫してくれています。 ゆずの追悼作品としてだけではなく、娯楽作品としても十分に楽しめます。
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