著者は現在ゲーム製作会社に勤務する現役のサラリーマン。本書の主人公も同業者で、作中にもゲーム業界の過酷な労働環境やゲーム開発の裏話が織り込まれている。また「ネットストーキング」「盗聴」「無差別暴力」など現代の恐怖を象徴する事件も作中には多発するのだが、それぞれに理にかなった解決策が提示されているため、中途半端なハウツー本より役に立ってしまう。
北村薫、宮部みゆきら稀代のストーリーテラーに選ばれた作品にふさわしく、魅力的な謎と、巧妙な伏線、徐々に高まる緊迫感とで読者を飽きさせないのはもちろんだが、特筆すべきは主人公の造型である。冷静に、ときには大胆にトラブルを処理し、的確な推理で調査を進めていくこの女性は、いわゆる「男性作家の描く男勝りのヒロイン」とは明らかに一線を画している。まず「人間」としての自分があり、男性にも対抗したり媚びたりはしないのだ。「また魅力的なヒロインが誕生した」などと紋切り型の賛辞で済ませてはいけないだろう。(工藤 渉) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
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途中少しだらだらした感じを受ける部分もあったが、全体通して引き込まれるストーリー展開でした。
ネットがらみの犯罪は最近増加の一途であり、そういう題材を扱った小説を書くには相応の知識が必要であり、満足できる作品がなかなかない。
この作者にはその知識もあり、ストーリーテラーとしての才能もあるので今後の作品も期待しています。
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