婚約者に振られたばかりの、鉄壁ヒーローのベルモア公爵閣下(28歳)の胸に文字通り飛び込んできたのは、スコットランドのドジっ子&魔女っ子ヒロインのジョイ(21歳)。ジョイは、ヒーローには自分の魔法が必要だと感じ、ベルモア公爵はジョイの美人さんぶりに目が離せません。冒頭から花開くロマンスの香り、さて、どこに行き着くやら?鉄面公爵は魔女っ子を愛することが可能なのか?
イイですよ。
ダメ魔女っ子のヒロインは、ずーっと魔法で失敗しっぱなし。
ベルモア公爵の馬車から、本来の目的地へ「跳ぼう(瞬間移動)」として次々に魔法を連発し、ことごとく失敗。馬車は壊れる、暴走する、木々が倒れる…!
おろおろイライラするジョイの、かわいいことったら。
かわって公爵。全てを計画通りにすすめることで有名な、意外性ゼロのこのハンサムさんが、ジョイに振り回されっぱなし。
本人は自覚しておりませんが、ヒロインにメロメロです。だから。
鉄壁公爵のくせに、ジョイから自分が魔女だと告白されて宙に浮かべられてオタオタはしますが、ちゃんと向き合って話し合おうとします。動じてはいるけど、動じてないー。んん、おもしろい。
怒ってはいても、混乱はしていても、ヒロインのことを否定しようとはしないんですね。んまあー、すばらしい!
なんて、イイ男さんなのだ、この公爵。不寛容に、あらず。
屋敷中の時計を狂わされても、屋根の上のブロンズ像群が舞踏会を開いていても、ピンクのバラに埋もれていても。
ジョイに魔法禁止令を出してはいるものの、どこかで面白がっているフシ、有。
誰かに魔女ぶりがバレたらどうしよう!
ヒーローと共に、ハラハラどきどきします。
中で、「大きいひと」と「小さいひと」のコンビが出てきます。この組み合わせに注目!すばらしいスパイスのきいたアクセントです。さーて、その正体とは?
魔女といえば、魔女狩り、とか。黒魔術、とか。そっちを連想してしまっていた、私。大丈夫です。問題ナシです。まったく悪のない、なんとも爽やかで軽やかで楽しい物語です。ドタバタぶりにロマンスが入り、でも、ちょいとばかりウェリントン提督のさわりで歴史も入って、すっかり疲れが吹き飛ぶ幸せです★
読み終わった後に、思わずにんまりしてしまう、とびっきりキュートで悪のないこの物語。ぜひとも、続編の欲しい物語です。