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鏡子の家 (新潮文庫)
 
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鏡子の家 (新潮文庫) [文庫]

三島 由紀夫
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

世界の崩壊を信じる貿易会社のエリート社員杉本清一郎、私立大学の拳闘の選手深井峻吉、天分ゆたかな童貞の日本画家山形夏雄、美貌の無名俳優舟木収。彼らは美の追究者なるが故にそれぞれにストイシズムを自らに課し、他人の干渉を許さない。―名門の資産家の令嬢である鏡子の家に集まって来る四人の青年たちが描く生の軌跡を、朝鮮戦争後の頽廃した時代相の中に浮き彫りにする。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

三島 由紀夫
1925‐1970。東京生れ。本名、平岡公威。’47(昭和22)年東大法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも9ヶ月で退職、執筆生活に入る。’49年、最初の書き下ろし長編『仮面の告白』を刊行、作家としての地位を確立。主な著書に、’54年『潮騒』(新潮社文学賞)、’56年『金閣寺』(読売文学賞)、’65年『サド侯爵夫人』(芸術祭賞)等。’70年11月25日、『豊饒の海』第四巻「天人五衰」の最終回原稿を書き上げた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。ミシマ文学は諸外国語に翻訳され、全世界で愛読される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 630ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (1964/10)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4101050066
  • ISBN-13: 978-4101050065
  • 発売日: 1964/10
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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以外に傑作 2005/5/4
朝鮮戦争後昭和30年ころ、冒頭から主人公の青年4人と、彼らの集まるサロンの主人の鏡子は、早くも退屈している。
徐々に戦後の混沌が失われていく時代と、自分の人生に。

退屈を生き抜くため、青年たちは・鏡子はそれぞれ自分たちの流儀に従って退屈を生き抜く方法を選び取っていく。たとえば、杉本清一郎はこの世の破滅を信じることで退屈をしのぎ、舟木収は自らを永遠に閉じ込めてしまうことで退屈をしのぐ。
小説のなかで観察者としての役割を与えられている鏡子は別として、4人の青年たちが三島由紀夫の分身であることは間違いない。エリート会社員清一郎は、大蔵官僚の三島。美貌の俳優収は、ボディービルダーとしての三島。日本画家夏雄は、作家三島。そしてボクサー(から右翼団体にに加入する)俊吉は、盾の会主催者としての三島である。

はじめての長編小説のせいか、たしかに作品としての完成度は「金閣寺」などに譲るのかもしれません。しかしそれだけに三島由紀夫が抱えていた(のだろう)問題がくっきりと浮かび上がっている、読みごたえある作品です。どうして彼は俊吉の人生を選んだのだろう?
登場人物が過剰にナルシストなのもさすがです。☆4つ

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10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By k-0
下の方も書いておられる通り、この小説の登場人物は全て「三島の分身」で、それぞれの役割もわかりやすすぎる程、区分けして書かれています。発表当時、評論家の評判がものすごく悪かったらしいですが、それもこの小説がいささか図式的に書かれすぎているせいでしょう。三島は「金閣寺」を書き終えて「自分ののっぴきならない問題」に或る程度カタをつけたと思ったからでしょう、この小説にはどことなく自分を突き放して客観化しようという「余裕」のようなものが感じられます。彼は自分の性向を幾通りかの登場人物に分散させて書いているので、この小説を読んでいると「三島由紀夫」という一冊の辞書から彼の色々な要素をインデックス引いて読み解いていくような気分になります。「美徳のよろめき」や「金閣寺」のあとに書かれた長編ですが、これらに見られる三島の「逆説的・晦渋な文体」に比べるとものすごく平易で読みやすい文体になっています。そのためページ数は長いですが、読んでいて苦になりません。「金閣寺」のような緻密で緊張感の張りつめた文体ではないので散漫な印象を受けるかも知れませんが、私としては大江健三郎や石原慎太郎の初期小説を思わせるような、「退屈な時代における、ブザマで、それでいてどこか切ない青春小説」としてなかなか面白いと思いました。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
母子家庭の鏡子の家に、清一郎(財閥系商社の社員兼自覚的にはペテン師)、峻吉(ボクサーのち右翼)、収(俳優のちボディービルダー)、夏雄(日本画家、一時神秘家)の四人の若者が屯する様子と平行して青春の挫折が描かれる。
鏡子はその名が示すとおり四人の鏡であろう。彼女が思想、信条、強烈な性格を持たないのはこの若者たちの未熟さを暗示している。
若者たちが主人公でありながら、文体は保守的で端正にに過ぎる感があるが、量もあるし綿密に書き込まれているのでじゅうぶん楽しめると思う。さらに書かれてから半世紀もたつと風俗や世相の推移もおもしろいのである。
またこの四人はそれぞれ三島氏の分身なのだろうが、峻吉と収が氏の最後を予言している。
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