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鎮守の森
 
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鎮守の森 [単行本]

宮脇 昭 , 板橋 興宗
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

ブックレビュー社

大地震でも倒れず,火をさえぎった土地本来の樹木。今こそふるさとの鎮守の森再生をすべきだと説く
阪神・淡路大地震後調査した植物学者の著者は,予想が当たっていたことを確認する。すなわち神社の森は鳥居や社殿が崩壊しても倒れていなかった。さらに著者のいう潜在自然植生の木(その土地に最も合った木)は,防火の役目も果していたのだった。

日本の国土は60%が森林に覆われているが,今やスギやヒノキなどの生態系を無視した森林ばかり。かくして森はジャングル化し,スギ花粉症のような2次災害まで引き起こす。それに対し,昔からある鎮守の森の生態系はみごとだ。土地にあって自生できる木が高木から低木,草木まで複雑で合理的なシステムを作り,伐採や管理をしなくても豊かでみごとな林を形づくり,しかも人々を地震や火災から守っている。

潜在自然植生を再生するために日本はもとより熱帯雨林の再生にも尽力する著者による「鎮守の森」づくりの案は力強く,日本人の潜在意識に迫ってくる。巻末に著者と意気投合した大本山(曹洞宗總持寺)の貫主との対談は含蓄が深い。読後,木々のうっそうと生い茂る鎮守の森を訪れたくなるだろう。 (フリーランスライター 杉山 由美子)
(Copyright2000 ブックレビュー社.All rights reserved.)

内容(「BOOK」データベースより)

広々とした風景の中で、こんもりと、まるで「緑の島」のように見える鎮守の森。戦後、この日本独特の緑環境は次々に破壊され、われわれは心のふるさとまで失いつつある―。植物学者が提案する新しい森づくり、そして宗教者との対話から、日本の未来像と自然のあるべき姿を探る。

登録情報

  • 単行本: 159ページ
  • 出版社: 新潮社 (2000/04)
  • ISBN-10: 4104368016
  • ISBN-13: 978-4104368013
  • 発売日: 2000/04
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.6 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 5.0 わたしたちを守る鎮守の森とは, 2005/4/28
レビュー対象商品: 鎮守の森 (単行本)
「3000万本の木を植えた男」と様々なメディアで知られる植物学者 宮脇昭先生が綴った、非常に含蓄のある一冊。以前、書籍『魂の森を行け』(一志治夫著)を読み、宮脇先生の生き方や自然への考え方に感銘を受け、その後色々本を読んだが、特にオススメなのがこの『鎮守の森』。語り口調であるためか、文章は非常に読みやすく、理系ではない自分でもすんなりきちんと理解できる。植物の専門書というよりも、日本人が知っておいたほうがいいような「哲学」が詰まっている本だとも思う。
鎮守の森とは、簡単に言えば神社やお寺などを囲んでいる鬱蒼とした森を意味している。東京の明治神宮はまさにそんな鎮守の森のお手本で、一歩敷地に入るとその静けさと厳かさに包まれ、清清しくなる気がするのも、森があるからだと思う。鎮守の森は土地本来の木々により構成され、日本では主にシイ、タブ、カシ類の木であり、これらの木は地震や台風などの時でさえ、人の命を守ってくれるという。阪神淡路大震災を直後に調査した著者は、本物の木が倒れずに火を防ぐ役割をしていたことを現場で確認し、土地本来の森の大切さを痛感したという。それに比べ、日本中に植えられたスギやヒノキ林などは、その多くが間違った場所に植林されたものであり、人工管理が行き届かないこともあって、台風や地震などですぐに山崩れがおこっている。確かに、本物の森の持つ機能とは全く異なっているように感じる。
巻末の総持寺貫主との対談もこれまた興味深く、ぜひとも多くの人に読んでもらいたいと思った。日本で「宗教」というと、すぐにアレルギー反応を起こしがちだが、この対談は宗教観を前面に押し出すのではなく、日本人としてどう自然と付き合い、どう生きていくのかといったことが学べるように思う。
読みやすく、奥深く、濃厚な一冊。この『鎮守の森』と『魂の森を行け』をあわせて読むと更に理解が深まると思った。中学生ぐらいからなら読めると思うので、学生にもおすすめ。
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18 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 使命を遂行する学者の渾身の書, 2007/6/29
レビュー対象商品: 鎮守の森 (新潮文庫) (文庫)
筆者の迫力に、ちょっと及び腰でした。
でも、無駄に抗わず、宮脇先生の使命感と熱意にあてられながら読むのも良いですね。

森林破壊に対して、生態学者の全知能、全精力をかけて「鎮守の森」=「その土地固有の植生」を見出だし、ドングリから育て上げる。
最高条件ではなく、多少我慢し、水も控えめで、多種多様な競争をさせる「最適条件」こそ根を深く下ろすもの。簡単に書いてありますが、真の植生を見抜くのも、最適条件を見出だすのも、生態学に深い造詣がなくてはできません。

そして、理論に実践を、核になる知識を基に国内外に活動を拡げる。

真の学者、かく在るべし。

そんな感慨を覚えます。

P32からの「植物社会の厳しい掟」は筆者のセントラルドグマともいうべき部分です。この章をお子さんと読んで、P35の図を書くと空間的な把握が進むでしょう。P35の図でも詳し過ぎるくらいで、子供達に書かせると時間がかかります。○に棒くらいの簡単な図を見せて誘導すると良いと思います。セントラルドグマゆえ、何度も書き込まれ、文章にも無駄がありません。

木を植えたくなりました。
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5つ星のうち 5.0 鎮守の森こそ和魂和才の原点, 2007/5/10
レビュー対象商品: 鎮守の森 (新潮文庫) (文庫)
本の帯には、「瀕死の地球を救う たったひとつの方法」と名謳われている。

元々、鎮守の森は入らずの森である。故郷には、その地域にしかない植生があり、この「ふるさとの木によるふるさとの森」の重要性について、考えさせられる本である。なぜ入らずの森なのか。森には多様な生態環境がある。大きく分けても高木層、亜高木層、低木層、下草層、土壌という土地本来の森の立体的な構成が、森に多様な生態環境を生み出しているのである。

そして、自然には、ヒトの顔でいえば頬っぺたのように、触ってもいいところと、指一本触れても駄目になる目のようにきわめて弱い部分がある。我々の祖先は長い間の経験、実践を踏まえて、開発に際しては弱い部分である目の中に、指を入れなかったのである。すなわち、弱い自然を残してきたのである。

こうした厳しい自然、弱い自然を象徴している場所に祠をつくり、この森を切ったら罰が当たる、この水源地にごみを捨てたら罰が当たると、昔の人々は考えたのである。自然に対する掟を破ると祟るという宗教意識をうまく使って、土地本来の弱い自然を守ってきたのが鎮守の森である。

しかし、現代社会では、神仏を崇拝する考えを排除してしまったがために、本来、弱い自然のために残しておかなければならない鎮守の森さえも、多く失ったのである。鎮守の森とは、日本人が生き残るための命の基盤であり、文化の母体である。そして神や仏の宿る森として、心の安らぐ魂のよりどころとして、今新しく見直されなければならないと時代に入ったと、宮脇氏は力説するのである。

是非、手にとって読んで欲しい本である。これからの日本の社会のあり方を考えていく良書であり。単なる地球環境を護るための本ではなく、日本人が世界に誇れる昔々から築いてきた生活空間の智慧を、鎮守の森から学ぼうではありませんか、皆さん。
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