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鎖国してはならない (講談社文庫)
 
 

鎖国してはならない (講談社文庫) [文庫]

大江 健三郎
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商品の説明

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   大江健三郎はデビュー以来、文学者の立場から同時代的状況に対し深くコミットし、さまざまな発言を行ってきた。ノーベル文学賞受賞後に行われた講演と講演形式の評論など、12の文章が収められた本書においても、その姿勢は一貫している。

   講演の舞台は、アメリカ、ハンガリー、北京、ドイツ、日本など世界各所にわたる。基調講演者として、シンポジウムのパネラーとして、そして中学生との対話集会のゲストとして、大江は真摯に語りかける。本書で行われているのは、19世紀後半から20世紀の近代日本史を再検討し、同時代状況を見据えつつ、未来の新しい人に向けてメッセージを託す、という作業である。

   起点となるのは、幕末から明治にかけて日本の近代化に貢献した福沢諭吉であり、福沢を読み直すことで戦後民主主義の理念を築きあげた丸山眞男であり、丸山ともかかわりがあり日本においてユマニストの思想を打ち立てた渡辺一夫である。彼らの仕事を綿密にたどりながら、戦後民主主義者としての大江自身の立場が明らかにされる。

   大江は歴史教科書問題に見られるような、日本における新しいナショナリズムの風潮と戦後民主主義否定の動きをバックグラウンドとする「鎖国の思想」に対して警鐘を打ち鳴らす。そして、近代の始まりにおいて実現された民主的な独立国家としての日本が、超国家主義へと変節し、戦争へと突入していった歴史を反復させてはならないと説く。

   鎖国の危うさを指摘し、昨今のインターネット状況を踏まえ、世界に開かれた自立した個人同士の横のネットワークの重要性を説く大江の言葉には説得力がある。(榎本正樹) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

出版社 / 著者からの内容紹介

ノーベル賞作家の心を打つ魂の講演集
宗教、文学、丸山眞男、ヒロシマ、「新しい人」の思想…様々なテーマへの熟慮を通し、ノーベル賞作家の語る主題は“日本人は鎖国してはならない”という一文へと収斂(しゅうれん)する。希望を失わず、未来へつなぐため、プリンストン、北京、ベルリン他、「この惑星(プラネット)のすべての住人」に向けて国内外で行われた、魂の講演録。

登録情報

  • 文庫: 328ページ
  • 出版社: 講談社 (2004/12/14)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062749556
  • ISBN-13: 978-4062749558
  • 発売日: 2004/12/14
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.4 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By カスタマー
形式:単行本(ソフトカバー)
  複数の講演の内容を集めたものですが、中心テーマとしては、著者の戦後民主主義と言われるものに対する考え方が集約されている本だと思います。著者の切々とした筆致に引き込まれ読み進むのですが、考えが先鋭化するのではなく反対に視野が広がっていく、なかなか大変だけどこの線にのって生きていくのは間違いではないなと思わせるものがありました。
 ただ私にこのテーマに関する知識が欠けていてやや圧倒された感じもしますが。
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形式:文庫
内容はまともである。 丸山真男が晩年に、 民主主義の腐敗をみて自分の無力さを感じたときに、 地道に始めたことは、 日本の近代の出発点である福沢諭吉を若い人と精読することであったという。 大江健三郎さんは、自分にできることを着実にすすめていくことの大切さを何度もいろんな形で論証してはります。 ナショナリスティックで健全な教科書が登場したさいには、その文体を分析し、あまりナマの感情を書き手がトロするのはいかがなものかと疑義を呈している。 このあたり大江さんは紋切り型というか、いつも静的だ。それが知性の特徴だが。 僕としては、生徒が興味をもてない教科書よりは、まちがっていたとしても熱い教科書のほうがなんぼかオモロいし機能的だと思う。 まちがいは修正していけるが、正しさは何もできないから。 とはいえ、大江さんはそんな浅いことをゆうてるわけでもないのだろう。 なんなら新しい通史を軽く書いてみてほしい気もする。 いずれにせよかなり深い内容なので、あるいみ新しい大江健三郎ラビリンスの誕生である。 ?
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