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鍋の中 (文春文庫)
 
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鍋の中 (文春文庫) [文庫]

村田 喜代子
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)

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第97回(昭和62年度上半期) 芥川賞受賞

出版社/著者からの内容紹介

その夏、少女は大人の秘密にふれ、生きることのはかなさ哀しみを知った。一夏を共にすごす祖母と孫たちを描き、「家族」について想う

登録情報

  • 文庫: 246ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (1990/08)
  • ISBN-10: 4167318024
  • ISBN-13: 978-4167318024
  • 発売日: 1990/08
  • 商品の寸法: 15.6 x 11 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 383,170位 (本のベストセラーを見る)
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By カスタマー
形式:文庫
村田喜代子昭和六十二年の芥川賞受賞作が表題。その他三編収録。何が「ぞわぞわ」かっていうと、女も男も異界へと連れて行かれるようなでもまだとどまれるっていうか…その境界を楽しめる。知覚では処理できない違和感を残すという意味で、ぞわぞわは、逆に私たちの背中を心地よく癒してくれる。夏の暑い日に是非。何か出そうです~~!! 

それぞれ中篇(50~100ページ)で読み易い。私は表題作よりも、「熱愛」が好きです。男子高校生が便器を異様に磨き上げる話。他人との距離をずらしていく結果生まれる微妙な違和感と多大な切なさを感じ取って欲しいです。

このレビューは参考になりましたか?
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By シロフォン トップ1000レビュアー
形式:文庫
第97回芥川賞受賞作「鍋の中」を含む4篇。

「鍋の中」は、十代の男女4人のいとこが田舎の祖母の家で過ごす夏休みを描いている。主人公は17歳の少女。祖母は80歳。いとこたちが集ったのは、60年前ハワイに渡った祖母の弟の息子から手紙が届いたのが発端。パイナップル農園で大金持ちになったらしい弟の家から連絡があったことで祖母の子どもたち(いとこたちの親だ)は勇んでハワイへ向かい、残された4人の孫が祖母の家に預けられることとなった次第。

祖母には13人のきょうだいがいた。孫たちは祖母の記憶をひもとこうとあれこれ尋ねる。命の連鎖を思うときに抱く茫漠たる気持ち、自分はいったいどこからきた誰なのかと考えたときに覚える足場がぐらつくような頼りない感覚。それらが繊細なタッチというよりむしろ骨太な感じに描かれていておもしろい。

生と死、悲しみ、憂い、あわい性、少女特有の自己愛―そこから派生する矜持や引け目、自己憐憫―、ナイーブさと図太さ、それら諸々をすべて包括する大鍋・・・・・そこには大勢の血縁者たちが浮き沈みしている・・・・・何度読んでも好きだなあと思う作品だ。

「少女のひと夏」を書こうとする人がいたらこの作品は必ず読まなければならないと思う(これを手本にということではなく、こういうアプローチがあるのだと)。それ以前に文筆業を志すすべての人に読んでいただきたい。「何と何と炊いた」と書いているだけで味がある文章を生み出せる作家はそうはいない。もちろん何を志すかに関係なく、広くたくさんの人におすすめする。決して埋もれさせてはいけない名作だ。
このレビューは参考になりましたか?
By 博多ムーミン トップ500レビュアー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
 以前から読みたいと思っていた芥川賞作家の作品。4編の短編を収録している。
 誰も真似できない不思議な「村田ワールド」に引きずり込まれる感じがある。
 天才との噂は伝え聞いていたが、なるほど、この人の言語感覚や、心理描写と
情景描写の力、というか、心理と情景の一体感を描く力は並ではない。
 小説家は「見てきたようなウソ」をつく能力が必要だと、読んだことがあるが、
まさに村田さんは、その力が卓越している。たとえば「熱愛」の中では、オート
バイで海岸線を走る場面があるが、よく走りもせずに(走っていたらスミマセン)
ここまでリアルに描写できるものだと感心させられた。

 正直に言うと、著者がアウトプットする実力と、私がインプットする読解力の
間に落差がありすぎて、村田さんの本当の醍醐味を味わえていない気もしている。
それを少しでも埋めてくれたのが川村湊さんの解説だ。小説の深さ、面白さを教
えてもらった。
 
 あまりの「天才」を前に「たじたじ」感もあるが、これから村田ワールドをも
っと体験したいと思っている。
 
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