これはもしかして、新手のスピリチュアル本なのでしょうか?筆者の意識に関する「悟り」と、それをもとにした人生観を聞かされます。理系の内容を期待している方は、すごくフラストレーションが溜まるので避けた方が良いです。なんとなく新しいものの見方が知りたいという方には、多少の価値はあるかも知れません。
他の方も書かれていますが、著者が主題としているアイデアは数十年前から言われているものばかりです。研究の土台となるはずの他の研究者の実験等の引用も極端に少なく、この分野にあまり明るくないのだと思われます。(または意図的に記述していないのか?)また、そのアイデアをもとにした発展的な考察もなく、僕的には真新しい知識はまったく得られませんでした。その上、本書の結論と言える部分は役に立たない人生論的なものになっています。タイトルから期待して買いましたが、がっかりです。
意識に関する研究はまだ体系化されているとは言いがたく、各分野の研究者が散発的に成果を発表しているに過ぎないため、様々な分野の研究者が対象とすることは大変よいことだと思います。が、書物にする以上もう少し調べてから出してもらいたいものです。この辺は出版社の見識も疑ってしまいます。
理系の方には、同様に意識を対象とし著者のアイデアに近いと思われるものとして、「
ユーザーイリュージョン―意識という幻想 (トール ノーレットランダーシュ)」をお勧めします。こちらは逆に、軽いノリを期待される方は避けた方がいいです。