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10 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
“人間と科学の相剋”というテーマを内包したSFミステリの傑作,
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レビュー対象商品: 鋼鉄都市 (ハヤカワ文庫 SF 336) (文庫)
鋼鉄のドームの下で、80億の人々がひしめき合って生活している地球は、かつて宇宙に進出した移民の子孫であるスペーサー(宇宙人)の事実上の支配下にあった―― ニューヨーク・シティの刑事イライジャ・ベイリは、友人でもある総監エンタービイから、 地球を訪れていた宇宙人の科学者サートン博士が殺害された事件の捜査を命じられる。 ベイリは、宇宙人が送りこんできた人間そっくりのロボット、 R・ダニール・オリヴォーとともに、捜査を開始するが……。 殺人現場(宇宙市)に、正規のルートから凶器を持ち込むことはできないため、 犯人は野外を経由して現場に侵入することになるのですが、普段、閉鎖空間 の中でしか生活していない地球人が野外に出ることは心理的に不可能。一方、 ロボットのほうは、〈ロボット工学の三原則〉によって、そもそも人間を傷つけられ ない――というSF的設定を前提にした不可能状況の構築が秀逸です(冒頭に さりげなく張られた伏線――ある小道具の描写――も巧妙)。 また、人類の末裔である宇宙人が、何故人間そっくりのロボットを捜査に送りこん できたのか――というホワイダニットは、壮大なSFのテーマに直結していきます。 本格ミステリという視点だけからみると、本作は、オーソドックスな作品に 過ぎませんが、普遍的なSF的テーマ――人間と科学の相剋――を内包 させたことにより、時代を越えて読み継がれる傑作となり得たといえます。
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
SFミステリーの傑作,
By たけちゃん (千葉県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 鋼鉄都市 (ハヤカワ文庫 SF 336) (文庫)
本作は、SFとしての面白さを残したままミステリーへと先祖返りした傑作です。バティ(相棒)物のミステリーでもあります。骨太なSFでありながら娯楽性を兼ね備えるアシモフ作品の魅力が存分に発揮された作品です。 アシモフ未来史の一角を担う作品でもあります。読む順番としては、先に『われはロボット』を読んでおき、また、アシモフの後期作品よりは早く読んでおくべきでしょう。
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
純粋にSFとして満足できる作品,
By 存尾 - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 鋼鉄都市 (ハヤカワ文庫 SF 336) (文庫)
ミステリとしてのおもしろさとロボット・テーマは他のレビュアーたちにまかせて、それ以外の面を…舞台となるニューヨーク・シティの描写を読んで行くうち、もう一つの「シティ」との比較を考えてしまった。そのシティとは、アシモフと並ぶ巨匠クラークの『銀河帝国の崩壊』(またはそのリメイク『都市と星』)のダイアスパーである。書かれたのもほぼ同じ1953年頃。 外界とは完全に(立体的にも)遮断され、住人たちは外の世界を恐れるようになってしまった巨大都市、という点では両者は共通している。本作の高速自動走路に似た交通機関はダイアスパーにもあった。しかし、ダイアスパーがユートピア的だったのに対して、ニューヨーク・シティは人々の不満がうずまく閉塞的状況に陥っている。本作は現代的な問題点の尾をひきずっていると言えるだろう。 しかし、クラークみたいな壮大なストーリー展開は最初から考えていないにしても、アシモフもラストで結局同じような夢を描いている点は興味深かった。 話の骨格は古典的謎解きミステリ以外のなにものでもないが、純粋にSFとしての満足度もさすがに高い。
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