故郷銀河から遠く離れた島宇宙で帰還への道を模索するテラナーの活躍を描く大長編SFスペース・オペラ宇宙英雄ローダン・シリーズ第169巻。本巻の執筆者は、中堅の実力者フォルツの独壇場です。地球では帝国元帥ブルとローダンの娘婿ワリンジャー博士の活躍により遂に巨大戦艦オールド・マンの制圧に成功し一息ついたが、ローダン一行は依然として3200万光年離れた島宇宙M−87を帰れるあてもなく漂流していた。
『未知との接触』ウィリアム・フォルツ著:ローダン一行は宇宙航行種族の手掛りを求めてさまよう内に、微弱なインパルスをキャッチした。発信源を辿ると、そこには異様な転子状宇宙船が出鱈目に接ぎ合わされた三千隻の大宇宙船団がいた。ローダンは発信者とのコンタクトを取ろうと、コマンド隊員とともに転子状船へと勇躍乗り込む。『鋼鉄の砦』ウィリアム・フォルツ著:ローダンは死滅寸前の宇宙種族スコアルとの交渉に成功し、彼らの司令官スコアルトがいるという惑星トルクタンに向かう。ローダンらは宇宙港に転子状船の残骸が散乱しているのを見つけ、偵察の末に超巨大要塞を発見する。コマンド部隊は惑星の主である青肌のトルクタン人に変装して潜入する作戦に出るが・・・・。
前半で転子状船内には過去に廃棄物の処理を任務としていたヴルーンというスコアルの従属生物が出て来ます。彼らは分泌する体液で合成物質を溶かし、主人の死と共に支配権を乗っ取ったのでした。故松谷健二氏のあとがきは、言葉の使い方のお話です。TV中継で「無事なお帰りを心待ちにしております」という表現を聞いて不安感を感じられました。他に「すごい」や「三日の日」は間違っていると指摘され、地方により「おとなしい」が褒め言葉と侮辱に分かれるという受けとめ方の差もあって、言語文化は難しいと結ばれています。