レビュータイトルに冠したキャッチコピーは伊達では無い。戦乙女達の戦う様をこうも朗らかかつゆとりある雰囲気で綴った作品は稀有な存在である。本巻は主人公【ガブリエラ】とその仲間達随一の美人【ドゥイエンヌ】さんのターン。容姿だけでなく貴族としての格式も随一、おまけに押しの強い性格も随一である。入団草々の新米達に畑違いの部署を研修させる前半のくだりが巧みである。自分の長所短所を自覚させながら裏方の重要性と苦労も理解させる、ある意味現実での社員研修にも活かせそうなエピソードと言えよう。ここでのガブリエラのドジっ娘振りが微笑ましい。そして、いよいよ正式な配置に就いてすぐに騒動が持ち上がる。これを新米のみで編成された通称『雛小隊』(隊長はもちろんドゥイエンヌさん)が抜擢され活躍していく訳だが、この時に白兎騎士団の裏の部分というか潜む陰謀が垣間見えてくる流れが良かった。どんな組織も相応に大きくなると一枚岩では無い場合があるという現実的な展開である。この主犯格を特定するガブリエラの推理が次巻の大きな流れになっていくのだが、ガブリエラの卓抜した洞察力や、そこから導き出される論理的な推測がハマリ過ぎ。そして無自覚天然系の腹黒さがまた本巻でも漂っており、それを少々引きながら感服する仲間達とのやりとりが面白い。なお、エピローグでは【ガブリエラ戦役】の様子が描かれるが、この時のドゥイエンヌさんが抱腹絶叫級に可笑しい。それを他のメンバーの会話で知らしめる演出が本シリーズらしさに溢れていて秀逸である。