下記の一番上が蛇足だぁ、とコケたのですが、内容は面白かったので、こちらも手を出しました。
結果… こちらは本当の蛇足編でした。前巻の終章がキレイに終わったので、それでよし、で終って良かったのでは。
結局、本書では、ドイツ陸軍のカチューシャロケット攻撃、H41級戦艦「ヒンデンブルグ」の51cm砲、このところ作者お気に入りの「中口径砲の多弾速射攻撃
による、重装甲戦艦の制圧」を日本でヤラせたいための「渡良瀬」級乙巡、英国海軍が61センチ酸素魚雷で逆転勝利。そんなところが見どころ、というよりは、
作者側の「書きどころ」だったようにしか見えません。筆致は一応勢いがあるのでなんとか読み切りましたが。
作者自身があとがきで述べているように、結局、読み応えがあるのは、ザンギエフ大佐のヒューマンドラマで、このひとがベルリンに立つ場面のために蛇足編
ができてしまい、本巻ではある意味ネタ切れで上記のようなギミック操作に走った感覚です。元々、この作者は「設定抜群、記述ダラダラ」の癖があって
世界観の造りこみが抜群でも文章がダルい、という時期が長かったのですが、この巻は設定が「お約束済み」の分、書き飛ばしたような印象があり、ビスマルク
級戦艦の「第二煙突が消失している」とか、「高角砲弾の給弾ベルト」とか、腰が抜けそうな記述があります。架空戦記ですから、そういうモノだった、と
逃げればそれまで、ではあるのですが。今シリーズは、技術設定のムチャ(BMW801の国産化、下記の二番目)とか、上記のような誤謬(?)とか、筆者らしからぬ
精緻さに欠けた内容になっています。確かに終章まで読み切らなければ納得できない、という方にしかお勧めできない、というのが率直なところです。
次のシリーズでお会いしましょう、と書かれているのはC・NOVELS読者向けで、既に別シリーズが別出版社で始まっています(下記最後)が、こちらは些か「ガン
ダムシリーズ」にヒントを得た、とも思えるSF的設定になっています。なにか少し「御乱心の時期」にはいったのかも。もう少し切れ味を取り戻してほしい意味で
辛目の星2つにします。
(補追:その後、ふと思い出して、"M20対戦車自走砲"のイラストを確認しましたが、見事に「ヤッちゃって」ますね。M26の車台を利用したとしても、あの
戦闘室配置だとフロントエンジンに変更が必要なのが、車台部分はそのまんま、戦闘室側面から排気管が出ている。ヤッツケ仕事がバレてます。
同様のミスを、佐藤大輔氏が「パナマ侵攻作戦」のドイツ自走砲の設定でやってしまい、そのまま筆を措いた経緯がありますが、筆者はどうするのでしょうか)
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