内容紹介
日本人は世界に冠たる入浴文化を持つ民族だといわれます。その入浴文化は、共同入浴というスタイルから始まりました。共同入浴の起源は、奈良時代の光明皇后による立願施浴まで遡ることができます。これが公衆浴場の原点で、江戸時代には湯屋と呼ばれるようになり、身分上下の区別がなく、裸の付き合いができる庶民の憩いの場として発展しました。また、庶民の情報交流の場としても重要な位置を占めたのです。 明治維新以降、銭湯は地域住民の保健衛生を守る役割だけでなく、健康増進の場として、子供の教育の場として、あるいは高齢者や障害者の福祉向上の場としても大いに寄与するようになりました。 このように、日本の入浴文化の軸は銭湯ですが、入浴は日本人の生活シーンの中でもひときわ大切な時間と認識されています。風呂へのこだわりは、医学、文学、建築学、歴史学などの学術レベルで語られたり、「銭湯お遍路」などのエンタテイメントとして盛り上がったり、ペンキ絵のミニチュアを家庭の浴室で再現して楽しんだりと、様々に広がっています。私たち日本人は、何気なく存在していながら重く深い意味を持つ入浴文化と、それを支えてきた銭湯について、より積極的に後世に語り伝えていく、あるいは世界に向けて発信していく必要性を感じてなりません。そうした国民的運動創出の一環として、このたび「銭湯検定」を企画しました。本書はその公式テキスト第1弾です。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
町田 忍
1950年、東京生まれ。和光大学人文学部芸術学科卒業。警視庁警察官を経て、現在、庶民文化研究所所長。全国各地の銭湯をめぐり庶民の記録として写真に収める。銭湯を学問的に調査・研究する「銭湯学」の提唱者であり、第一人者でもある
米山 勇
1965年東京生まれ。建築史家。早稲田大学理工学部建築学科卒業、同大学院博士後期課程修了。現在、東京都江戸東京博物館助教授。博士(工学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)