真のドラマは銃夢には無い。登場人物が自分の生き方を模索する過程、決断に至る道のりと決断、そして初志を貫くさまが描かれていないしからだ。登場人物達の反応はしばしば理解に苦しむ。簡単に諦め、ひれ伏し、心を折られる。どうも、作者の創作に於ける時間的経過が登場人物に反映されてしまい、漫画の時間経過上では理解し難い反応を示すようだし、そのさまは、天皇の一元的権威が発威される日本書紀を読んでいるような気になる。本作の持ち味は、主人公ガリィと周囲の人物との皮膚感覚、つまり家庭的な居場所の感覚が実に良く出ていることにあるので、そうした子供時代の感覚をちゃんと伝えられる漫画というのは、本当に無い。