キューバ危機でカストロの基地への爆撃を強硬に主張、ケネディ大統領のホワイトハウスと衝突、引導を渡されたカーチス・ルメイ空軍参謀長は、危機回避後、大統領に、「攻撃して彼らをやっつけるべきだった」と述べた。ルメイとは、梯型爆撃編隊戦術の考案者にして、花形爆撃機パイロットであり、日本軍への焼夷弾爆撃で戦果を収めた将軍。都市全体を焼夷弾で焼き払う「夜間無差別焼夷弾爆撃」戦術を生み出し、B29による東京大空襲を皮切りに全国の地方都市が彼の日本焦土作戦の標的となった。映画「博士の異常な愛情」のモデルとされ、対ソ連核先制攻撃構想論者であり、朝鮮戦争当時は戦略空軍司令官として北朝鮮への無差別爆撃で二百万人を死亡させた(!)という。筆者は彼こそ「ブッシュ・ドクトリン」の元祖と断じ、憲法修正第二条を盾に銃所有を擁護する全米アメリカ・ライフル協会の現状と重ね合わせて、アメリカ社会の本質として、自由と平等の民主主義の理念そのものに、武力行使というDNAが受け継がれていることを浮き彫りにしてみせた。