内容(「BOOK」データベースより)
北の海の廻船問屋、望楼のある古家の庭で老人が鶴を追う―。かつて帰船の宴や客人でにぎわった旧家の話(堀田善衛『鶴のいた庭』)。旅先で出会った子どもは、脚の悪い父の野卑で傲慢なふる舞いを恥じているようだった。親子の情愛の絆を一瞬の光景に刻みこんだ小山いと子『石段』。作家志望の「私」のかわりに実家の魚屋の跡継ぎに決められた小学生の弟。「私」は気がとがめてならないが…(川崎長太郎『兄の立場』)。銀波の残映のようによみがえる記憶、海辺の家族の物語。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
堀田 善衞
1918‐1998。富山県生まれ。慶應義塾大学卒業。1952年『広場の孤独』『漢奸』その他で芥川賞を受賞。乱世の中で歴史と向き合う人物を数多く描き、アジア・アフリカ作家会議の推進にも力を入れた
小山 いと子
1901‐1989。高知県生まれ。本名・池本イト。社会的視野を持った作品を数多く手がけ、1950年に『執行猶予』で直木賞を受賞。人生相談の回答者を長年務めたことでも知られる
川崎 長太郎
1901‐1985。神奈川県・小田原生まれ。徳田秋声に師事したのち、小田原の生家の物置小屋で暮らしながら、私娼窟を題材にした私小説で人気を博す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)