内容は前回に引き続き「紅蜘蛛編」3話と「人気投票編」1話の構成。「紅蜘蛛編」については前巻のレビューで言及した、妖艶
さという独特の色をアニメーションでどう表現するのか?実はこの長編、アニメスタッフの力量がもろに試される難しいシリーズ
だったのではと思っている。本巻収録話はその点スタッフの作画や演出への拘りと、何より原作への深い愛情が、視聴者にひ
しひし伝わってくる好内容に仕上がっている。
舞台となる吉原や、戦闘シーンの空間が暗い色彩で統一されているせいか、火災シーンでの炎の赤、幼い銀時と松陽先生と
の回想シーンでの空の青等がとても美しく際立ち印象に残る。また銀時と地雷亜の決戦シーンにて両者のテンションの張り詰
め様を白一色の配色にすることで表現したりとスタッフの拘りが随所に感じられ、アニメーションならではの醍醐味が味わえる。
普段はストーリーの内容ありきで、あまりその辺の細かい点に目が向くことがないのだが、本長編では映像の美しさと演出の秀
逸さを感じさせる箇所が多かったので、本巻の見どころの一つとして挙げておきたい。
もちろん銀時の漢らしさ、地雷亜が見せた人としての脆さ、月詠の師匠への労り、全蔵の活躍振り等ストーリー上での魅せ所も、
アニメーション化してさらに強力になっている。原作の「紅蜘蛛編」ファンの方は是非本巻を観ていただき、製作陣の苦労が見事
に結実した素晴らしい仕上がりを堪能して欲しいと思う。
「人気投票編」はまだ序章だが、エンディング・テーマの映像に各キャラクターの順位を挿入する等相変わらず遊び心健在。ま
た今回「ウソ予告」として過去にも一度公開された劇場版予告映像が収録されているが、思わず劇場での感動を思い出させ胸が
熱くなりDVD化が早くも待ち遠しい。特典のアナザージャケット絵は地雷亜の若き日の姿鳶田段蔵と彼の妹とのツーショット。製
作陣の気合の入りっぷりが嬉しい8巻だ。