笑える作品という印象がする「銀魂」だが、1クールに1本こちらがハッとさせられる作品に出会うことがある。第5期OP「曇天」よろしく、鉛色の空につつまれたような作品世界。それが「京次郎編」である。
最初に「引きこもり」にちなんだギャグをかませているが、笑える場所はそこだけで、後は救いようのない悲劇が待っている。人物シフトは「芙蓉編」を踏襲しており、林流山、芙蓉父娘および「たま」の関係を連想する人もいるだろう。京次郎の表面的なダーティさが後になってうまい結末に導いてくれる。重症を負って一旦画面から消え、再び登場するという銀さんの「奇跡」が薄らいでしまうほどに、息つかせないプロット運び。「野良犬」から「番犬」として、下愚蔵親子を守ることを宿命づけられた京次郎の、逆に爽快感あふれる動きがこの前後編のすべてといってもいいだろう。さながら曇天の空から青空が覗くようでもあり、初夏に相応しい作品といえる。
後半はヅラ強化月間に放映されたもの3編。「獄門島」の末吉および、「試験」の退をダシにヅラ・ワールドが堪能できる。「銀魂」の元ある作品世界をベースにこちらの想像をはるかに超える世界へいざなってくれるだろう。「獄門島」Aパート終わりの、ヅラがヒツジを数えるくだりで、バスケ少女の話を挿入する発想は「銀魂」でなければありえない。
最後は前後編。「NH物」でお子様アニメタイムながら男同志の禁断の愛を描くスレスレを見せれば、神楽の、二度とない青春を謳歌している姿が印象ぶかい「ほぼ100%〜」。暴風雨にも外出して初夏を楽しむ様子が不幸を背負ってきた神楽のこれまでを表現しているようでどこかセンチメンタルな気分にさせてくれるだろう。また、穿った見方をすれば「曇天」の詞の世界を体現しているような感じにも見える。作詞者は本エピソードを参考にしたのでは、という推測もできる。
本商品にはラジオCDが登場する。25話ごとに登場する「万事屋バック」を頭に思い浮かべ、楽しんだ方がいいだろう。「弐の13」の「万事屋バック座談会」を超える出来になっているかどうか。楽しみである。