銀行のATMの歴史を顧客サービスの視点から解き明かしていく
日本の銀行の勘定系システムの先進性をほめた上で
リテールバンキングの戦略としてのATM戦略がないというわけだな
当初からリアルタイム処理にこだわっていたので世界にも類を見ないシステムが出来たが
リテールバンキングのサービス向上よりも店舗コスト削減ばかりを追い求めていたことも指摘する
また大蔵省の護送船団方式の指導の中で下らなすぎる規制も多かった
ただリテールバンキングの収益源って何なの、ということに余り触れていない
セブン銀行とかは預金者からのATMの利用料収入や提携金融機関からの手数料
これだと手数料無料、というサービスは成立しなくなるし
(セブンアンドアイグループの低利子資金調達の手段とするなら分かるが)
またアメリカでリテールバンキングの成功例として取り上げたシティバンクは
リテールで集めまくった金で法人部門や投資部門に回している
これだと高収益部門がないと話がつじつまが合わない
ATM手数料無料で野心的なビジネスモデルを持っていた新生銀行が収益減に悩み
結局はあおぞら銀行の合併話が流れたことも考えると著者の理想としている銀行像って何、という疑問はつきない
どっかで誰かがATM利用料やオンラインシステムのコストを負担しなくちゃいかんのだが
そこんところを明確に示して欲しかったなあ、という感じだ
漏れは10年近く前に初めてキャッシュカードを持ったわけだが
ちょうど銀行大合併やデビットカードの普及、コンビニATMやATM営業時間延長などの
急激なサービス改善とキャッシュレス社会への流れの中にいたようだ
昔はお金を下ろすのも大変だったんだぜ、という記憶もなくなるだろうが
「それが当たり前じゃなかった時代」を思い起こすにもいいかもしれないな
周りの大人と銀行やATMにまつわる話をしてみよう、という小学校の教科書風の締めくくりでw