本書は旧日本興業銀行の人々が業務にまつわる規制・事務などを中心にまとめた自行の業務マニュアルを外販していた書籍(と断言していいのか自信はないが)の改訂版である。旧版の出版時にはおそらく残っていたであろう護送船団体制による金融規制時代の興銀の意気込みが反映されていたと思しいが、自由化後に数十年ぶりに改訂された本書も業務の合間に編纂されたとは思いがたい気合いの入りっぷりであった。
私は銀行員の経験はないが近い業務をしていたこともあって、高額なのを覚悟して興味本位で本書を取り寄せてみた。結論から言うと、本書は価格に見合う充実度である。類書との違いは、日本における銀行という業態の限界をきちんと説明している点だろうか。かつての銀行証券の境界線のせいで遮断されていた業務がいかにして進行形で変化しているのかを部外者が理解する(仕事先の協力を依頼する際に迷惑をかけずに済むと言う意味もある)ために重要な文献である。
この内容には文句なしに星5つを差し上げたい。しかしこんな重厚な内容のうち、みずほ行内の若手たちはどこまで理解できているのかが個人的にはちょっと興味深いのだが…(笑)。