本書はダンジョンズ&ドラゴンズの背景世界の一つである、グレイホークを舞台にした少年少女の冒険譚です。
過去の”封印破り”という過去の忌まわしい事件の後、夜は魔物がうろつく街カーストンを舞台に、魔術師の弟子ケラック、その弟のドリスコル、父親がローグで自分もその技を持つ少女モイラが、ケラックの師匠ゼンドリックのために冒険に挑みます。
本書の魅力は、D&Dというゲームが生み出した魅力的な魔法の品物や個性的なモンスター達と危険な迷宮、そしてそれらを下敷きにした少年少女達の”納得のいく”冒険でしょう。ご都合主義でなく、特別な力でもなく、時には泣きわめき、時に仲間内で揉めながらも少年少女達は知恵と機転を武器に街で事件の情報を集めて危険な迷宮に挑み、そして事件の核心に迫ります。
ストーリーも最後の真相に至るまで論理的に組み上げられ、最終ページに至るまで時に肯き、時に驚かされながらも目が離せません。正直、最初はあまり期待せずに購入しましたが、アメリカで大人気なのが頷けるファンタジーの良作で大満足です。