本作を初めて読んだとき、「CHILDREN'S CRUSADERS」の章にて描かれる、美教主ハドリアン率いる少年十字軍の退廃と狂気と虐殺の描写に圧倒されたものですが、再読して思ったのはやはり「VASKERVILLE」の章が本作の中核ではないかと.ここでは不明な精神疾患を患っているリュシアン少年をオージュール、キノ・グラース、セジェスト(惑星ブレイン)の3者で治療に取組み(「夢の劇場」がその手段)、実は人間ではないリュシアンは最終的には「人間」として蘇生します.オージュールは人間の深層意識を完全に映しとる「存在の鏡」であるという設定ですが、まさに「人間的存在」とはなにかについて徹底的に追求する為の設定であると思え、ここでその答えが迫力ある形で提出されてます.それらに比べると、最終章「URANUS' REVEL」にてオージュール達が対決する最大の敵、「内なる反連邦主義」というのはもひとつ掘り下げ不足という感じで、あまり理解できませんでした.