「銀河英雄伝説」は、1983年に徳間ノベルズから、2000年に徳間デュアル文庫からも出版
されましたが、いずれも絶版になっていました。その「銀河英雄伝説」を、2007年に創元
SF文庫が、新しい装丁で再版したものが本書です。底本は徳間デュアル文庫版です。本
シリーズは、外伝5巻を含めシリーズ全体で15巻からなるシリーズです。
宇宙に進出した人類が築いた「銀河帝国」と反帝国の「自由惑星同盟」との、宇宙を舞台
にした攻防の物語です。両軍を率いる両陣営の英雄たち、特に帝国側のラインハルトと自
由同盟側のヤンの2人を主人公にした物語です。
戦闘だけでなく、戦闘に至るまでの政治闘争や国家戦略なども描いています。むしろ、政
争や権力権力争いのほうに多くのページが費やされています。
スパッと善悪がわかってしまい、結末も予想できてしまう単純な物語ではありませんので、
じっくり楽しめます。
「帝国=悪」という簡単な設定のもとに、ヒーローが次々を悪者をやっつける痛快娯楽小
説ではありません。帝国側にも同盟側にも優れた人材がおり、利己的な人間も、愚鈍な人
間もいます。1人の人間の中にも、賞賛されるべき資質と疎ましい気質が同居しています。
帝国側の物語と、同盟側の物語を、交互に描くことにより、主人公=正義といった単純な
図式にならないように書かれています。