筆舌に尽くし難い程の、愚作。作品全体を覆い尽くす、小学校向け教育アニメの如き爽やか感は、まともな感性の持ち主ならば、その余りの厨房ぶりに吐き気を催すこと必定。
キャラ・デザインが、ファンにとって見慣れたまともなバージョンのそれとは違って、コミック版『銀英伝』の作者である道原かつみ氏のそれになっている。ラインハルトとキルヒアイスは、すっかりジャニーズ風の少女漫画系ショタコン耽美趣味に落ちぶれてしまっている。声優のキャスティングもアレな感じで、アンネローゼの声は、そこらに居るお姉さん風。絶世の美少女としての説得力は皆無。
ヤンも、平凡で漫画チックなハンサムさんに。「その他大勢」のキャラ程度の個性しか感じられない。特に声質は全くの別人。彼が得意げに何やかや喋り続ける様を観つつ、「あんた、誰?」の思いだけがいや増すばかり。
一番かわいそうなのは、敵役のクルムバッハ少佐。なんで、あんなオカマ・キャラ?或いは、彼の背後に潜む人物の代理表象としてのキャラ・デザインとかいった、小賢しい意図があったのかも知れないが、結果としては、作品の気色悪さを更にドン、二倍に上乗せする効果しか生んでねぇ…。
艦船や戦闘機のデザインも、弱々しく貧相な没個性的なものになっていて、戦闘シーンを盛り下げること甚だしい。スパルタニアンなんて、カメムシが宇宙を飛び回ってるだけにしか見えん。艦船の艦橋はやたらと狭そうで、観ていて息苦しい。イゼルローンの主砲トゥール・ハンマーも、光線デカすぎの過剰演出。BGMも安っぽくて、気分が宇宙の絶対零度のように冷え込む。
制作者達に贈る言葉があるとすれば・・・、「馬鹿!悪趣味!変態!」の三語だな。『銀英伝』の持ち味である華麗さや重厚さなど、分子レベルで駆逐されてます。無残。