銀英伝で憧れたキャラがヤンならば、共感したのがロイエンタールでした。
おそらくは彼にとって忠誠に値するのは、ラインハルト単独ではなく、キルヒアイスとの統合された存在だったのだと思います。
キルヒアイスの死後、ロイエンタールは人生の選択を止めて、ただ流されていきます。
戦術・戦略上の思考のみが、彼の唯一の救いだったのではないでしょうか?
ミッターマイヤーを救うために、ラインハルトとキルヒアイスを頼った行動力は消え、
欲望のままにリヒテンラーデの一族の女を抱き、ヒルダとミッターマイヤーに流されるままラインハルトの作戦を外れて同盟ハイネセンを突き、
イゼルローンの侵攻作戦を計画し、ルビンスキーに陥れられ、ミッターマイヤーと戦って、彼らしく流されるままに死んでいきます。
ミッターマイヤーを倒さねばカイザーは戦ってくれない、というのは死に臨んだ軍略家の濁りの無い本心であり、
ランテマリオの後、失血のままに死んでいくのも、トリューニヒトを片付けておくのも、何も考えていないように見えるのです。
ベルゲングリューンがロイエンタールに殉じるのも、ロイエンタールが本当に膝をつくのは、ラインハルト&キルヒアイスであって、
ラインハルト単独では物足りないように見えるロイエンタールの誇りを感じたせいだと思えるのです。
ラインハルト&キルヒアイスのコンビでゴールデンバウム打倒を志したのであり、ラインハルトはキルヒアイスを失ってからは、
ロイエンタールと同様、ある程度、惰性のままに進んでいます。ヒルダのラインハルトの感性への危惧がその証拠です。
ラインハルトは、オーベルシュタインとヒルダとヤンとの対決への望みでもたされてるだけの存在に見えます。
そして、ロイエンタールに若本規夫さんを当てたことに乾杯。
青年の張りと苦さ、青年にあわない達観と冷笑、ドスの効いた指揮、ベルゲングリューンへの静かな信頼、絶品です。