江戸を舞台としたミステリのイメージが強い都筑さんだけに、この銀河という未来を舞台としたSFのようなファンタジーはかなり新鮮。1981年に発行となっているが、この時期に小型のビデオテープ(フィルムに写しているようだが)や、言葉を話すコンピュータなどが登場し、SF的な要素を持ちつつ、さまざまな星の情景、吸血植物などの不思議な動植物や人を描くことで不思議なリアリティを感じさせてくれる。
都筑小説でよく登場する、男女の濡れ場もまた生々しい。
主人公は、ビリィ・アレグロ・ラトロデクトス・ナルセ。祖先は地球人(そして日本人)の、銀河盗賊だ。最新の機械を操り、人間の言葉を話すダイジャとともに、血沸き肉踊る冒険を繰り広げる。そして彼を利用しようとする女性までちゃっかりモノにしてしまう。
都筑さんは日本に初めて007を紹介した人として有名だが、日本版007としてのJ3、そしてこのビリィ・アレグロはハリウッド的な要素を持つアクション・SF・ファンタジーのすべてが味わえる贅沢なストーリーだ。