巧妙な策謀を弄する強敵マークスと人類の知力を尽くした諜報戦を描く大長編SFスペース・オペラ宇宙英雄ローダン・シリーズ第112巻。本巻の執筆者は新旧の才能の競演エーヴェルスとダールトンです。マークスの計画を掴むべく派遣されたテラナーの5人が帰還した。しかし、その実体は元の人間ではなくマークスによって本物そっくりに作られた複製‘デュプロ’だったのである。
『第五列』H.G.エーヴェルス著:小型宇宙船アルタイが恒星転送機から出現し、アンドロテスト3に収容される。それと同時に突如マークスのロボット艦が現われ攻撃を開始する。彼らの意図は果して何処にあるのか、ローダンは首を捻る。『銀河侵攻計画』クラーク・ダールトン著:過去にマークスとの戦闘を経験しているアトランは狡猾な種族に警戒を強め、次第に帰還した5人に疑惑を持つ。勘だけで証拠が無い為にローダンの賛同を得られないアトランは、尚も疑いを捨て切れずに遂に昔から友情で結ばれているネズミビーバーのグッキーに助けを求める。
ローダン物語のユーモアを一手に引き受けている観のあるダールトンが、またもや飛び切りの趣向を見せてくれました。地球ではネズミビーバー・グッキーの冒険小説シリーズ「グッキー、大宇宙の救い主」がブームで売れているという。その謎の作者シャルルブロルヴェとは?答は何とローダン・シリーズの作者の名の一部を組み合わせて作った物でした。故松谷健二氏のあとがきは、子供時代の困った発想についてです。無意識に一人前になる条件をこしらえて次々にクリアして行き、一時は妄想にまで発展して悩まれたそうで、最後まで突き詰めれば、究極は死ななければ一人前でないという所まで行くのだろうか?と呟かれて、挙句にきりがないと投げ出されています。