本書は、マーケティングの難しい理論を分かりやすい物語に設定することで、非常に頭に入りやすい。
最初は登場キャラが多いので、ゴチャゴチャしているように思えたが、
いつの間にかそこに登場するキャラクターの人間性や背景までも容易に想像できるようになる。
本書ではアメリカ流のマーケティング手法の問題点なども紹介されており、
現在、多くの企業が抱えている問題点を再認識、もしくは発見できるのではないでしょうか?
例えば、帰納法や演繹法において、帰納法は時間がかかるのに対して、
演繹法は最初から答えありきで計画を練る。
今のビジネスはスピードが重要な上、多様化しており、
これらの手法は使い方が非常に難しくなっている。
ターゲット戦略においても、人数を絞り込む必要があるターゲット戦略が
八方美人になることで機能していないことが多い。
その結果、ターゲットが日本に何千万もいるような甘い設定となる。
他にも、銀座ママ麗子の営む店の経営戦略も面白い。
従業員一人ひとりに経営意識を持たすことや、
個人の利益になる教育を施すことによって、コスト意識や責任感を共有するようになる。
「従業員が無能だ」と嘆く経営陣は多いが、個々のモチベーションや愛社精神を無くすことで、
どれほどの不利益を生み出すのか理解していないことは残念で仕方ない。
最後に、本書で取り上げられているクライアントと請負業者の関係において説明したい。
多くのクライアントは請負業者に対して「協力業者」と言っているが、
それは建前であり、実質は「業者」という扱いである。
本当は現場に出ている業者は、問題点を共有できる重要な協力者なのだが、
多くのクライアントは業者として扱い、問題点を共有していない。
その結果、クライアントの言うことを鵜呑みにする業者ばかりになってしまう。
他にもたくさんの事例が紹介されているが、本書を読むことでさらに事細かく、
分かりやすく経済の問題点を発見できるのではないでしょうか!