『出世花』に続いて、出版されて間もないこの本を読んでみた。
『出世花』とは打って変わって、上方の寒天を商う商家が舞台の長編人情話。
史実に基づいているかは定かではないが、練り羊羹の誕生の秘話を筋に、主人公と幼馴染の少女との恋物語を絡め、ところどころに「銀二貫」というキーワードを主人公の20年間にちりばめ、かなり良くできた話だ。
途中、何度も涙しそうになる話だけど、決してお涙ちょうだいの話ではなく、主人公や彼を取り巻く人たちの凛とした生き様が見事に描かれている。
彼女の本を読むのは2作目だけど、かなり気に入った。最近、読んだ時代物ではベストかもしれない。いや、時代物に限らず、今年読んだ小説の中でもベストに近い。
本当に楽しみな作家だ。