「ポーの一族」も「トーマの心臓」も、原作ありの「百億の昼」も、割と最近の「残酷な神」も読んでいて、それぞれ好きではあるのだが、これにまさる作品はないような気がする。絵柄もこのころの
作品が一番好きだが、考え抜かれた一つ一つのセリフ、ストーリー展開、すべてが文句なし。
世界(宇宙)はモザイクのようにつながって調和を保っているのだが、たった一つの出来事によってその一片に歪みが生じると、やがて世界はたわみ、崩壊してしまう。ラグトーリンはその事象を「なかったこと」にするために、いろいろな方法を試みる。読者はまさに「ラグトーリン迷宮」の中を主人公マーリーとともに引っ張りまわされるのだが、それが何とも言えず心地よい。
最後もきちんと納得のできる答えを提示し、かつ余韻を持たせて終わるあたり、他の作品とは一線を画する。