☆『イタリア式離婚狂想曲』、『わらの男』」といった心にしみる人情ドラマを得意とするイタリア映画界の名匠ピエトロ・ジェルミ監督・主演による見事な名作である。ピエトロ・ジェルミ演じるのは家では頑固者で厳しい父親であり、仕事熱心な機関士。そんな父親の頑固者ぶりに嫌気がさした娘は家出をした後、結婚。しかし、ある問題が原因で離婚の危機に直面していた。更に、息子も同様に自暴自棄になり、その結果、不良仲間に入ってしまう。それ以来、何かと苦労が絶えない妻と父親を慕っている小さな末っ子と3人暮らしの生活が始まるのだが、父親の機関車に男が投身自殺する事件が起こり、この一件で衝突事故になりかけて降格させられたり、鉄道ストライキ破りの汚名を着せられたりの運の悪い事ばかりが続き歳月が過ぎていくが、クリスマスを迎えたその夜に息子が帰って来る。家出をした娘からも電話がかかってくる。そして、その夜に父親は家庭の本当の温もりと幸福を噛みしめながら眠るように静かに永眠する…。という、物語が誠に人情味豊かに、そして、喜怒哀楽な要素を丁寧に取り入れた、自然なタッチで繰り広げられていくのだが、人間本来のやさしさ、絆、哀愁といった大切なつながりをピエトロ・ジェルミ監督はこの鉄道員の父親の視点からおおらかに、時に厳しく描かれており、予定調和がしっかり取れている構成にも感心させられる。カルロ・ルスティケリの主題曲も感動を盛り上げている。一番、興味深かったのはエドアルド・ネヴォラ扮する末っ子(大人顔負けの名演技=好演!)と父親との心情と気持ちが大変清々しく愛情たっぷりに反映されているのもよろしい。特に父親の我が人生悔いなし的な最後の姿には止めどない涙がこみあげて来る。さわやかで心和む涙と感動の秀作であります!☆。