二十台になると自転車に乗らなくなった。「足」という意味でしか使用目的を見出せなかった自転車を卒業した、ということだ。しかし、自転車の可能性とは、ただの移動手段としてだけなのだろうか。いや、そうではなかったようだ。これまで自転車から離れていた私も輪行というテーマには大きな可能性を感じられた。輪行上級者には、本書の内容は物足りないのだろう。しかし初心者にとっては、「非日常的で新鮮な出会いの連続」である輪行の世界を知る良いきっかけとなるのではないか。日本は輪行の為のコンテンツが非常に充実している。インフラやマナー等には改善余地があると思われるが、輪行をコンセプトに新たな自転車ファンの取り込みに成功していけば、日本のレジャーや地域振興を大きく変えるポテンシャルがあると思われた。