『鉄腕アトム』を読み返して、改めてこの作品の素晴らしさを感じています。
何がすばらしいかと言えば、ロボットの目線で作られている点です。
初めてそれが認識できました。
アトムの世界ではロボット工学は現在よりも優れていますが、悲しい宿命を背負わされています。
ロボットは人間に仕え、人間を主とし、人間に決して歯向かいません。
アトムは、人間の小学校に通い、友人達の中で人間の心を学んでいます。
そのロボットに悪事を働かせるのは、人間達です。
人間の移り気で、気儘な性質にロボットはいつも怯え、傷ついている存在として描かれています。
『第三の魔術師』は、魔術師ロボットが登場します。
そのロボットが持つ技術欲しさに人間がコピーを作り予告犯罪を行います。
人間は、悪事を働くロボットが増えてきたので、電子頭脳を制御して弱くするためロボット法を変更しようとします。
自分達の非を認めず、ロボットに責任転嫁をしてしまう人間の姿。
読者はいつしかロボット達に自分を投影してこの作品を読んでしまいます。
手塚先生は、きっと誰にでも同じように愛情を持って接することのできる人になりなさい、と伝え続けていたと思うのです。
アトムの永遠を思わせる命は、永遠に大切な真心が込められているからに相違ありません。