ヒトはヒトにあらざる存在と対峙したとき、どのような心の有り様を示すかということを描いている作品だと、まず読んで思いました。
神を敬うか、神に縋るか、神に靡くか、神に抗うか、神を憎むか、神を支配しようとするか、神を否定するか、神を蔑むか(字のないキクロにしたように)といったところでしょうか。
1巻から登場していた神違えと呼ばれる人たちは、都が認めない神を支配しようとし、恒河シャもそのような欲望をもっているようです。
神を従えようとする都の意志と、夜長彦のはるか過去の実の兄の意志がつながっているようです。人の子の贄を欲する神を、夜長彦の兄は憎み、けれどもその意志は余りに長く時がたちすぎて、ヒトらしいところは残っていません。反対に夜長彦は、ヒトの身のまま神になり長い時を過ごしてきた、作品中唯一の人神です。
そういうところが、不滅城の人たちが夜長彦にこだわる理由かもしれません。