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筆者のWerner氏は、終戦まで任務につき生き残ったほんのわずかな数の艦長の一人です。U-ボートの栄光のときから終戦の悲惨な状況まで一気に読ませてくれます。
ヘルベルト・ヴェルナーの手になるこの本は、潜水艦乗りの残した記録として実に凄まじい体験を綴っている。数え切れぬほどの爆雷攻撃を受け、急速に進歩したレーダーによる探知に絶えず急速潜航を強いられ、駆逐艦のソナーにつきまとわれる。初期の戦功とは裏腹にじり貧ともいえる戦いに駆り立てられていく。おそらくはこれと同様の体験をほとんどの潜水艦乗りは経験したに違いないのだが、彼らの多くは海の底に沈んでしまった。何よりも驚くのはこれだけの体験をしたにもかかわらずヴェルナーは生き残ってそれを記録したことである。「U571」など潜水艦を扱った映画も絶えず制作される。おそらくは潜水艦の持つ密室性がドラマの題材となり易いのだろう。しかし、鉄の棺に生きたまま入れられた状況にある人間にとってはドラマでも何でもない。まさに生きるか死ぬか、「死闘」を演じるのみである。この「死闘の記録」を読めば戦争の持つ意味を思い知る。父は横須賀に向かう病院船の中で、最後を迎えようとしている乗組がバルクヘッドに何かを書き留めようとしている夢を見たという。これが果たして正夢か、知るすべはない。
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