著者によると、鈴木敏文の発想の根本には、「時間軸で変化の流れを大きく捉える視点」「時間軸を輪切りにし断面を見る視点」「時間軸で未来から見て今を位置づける視点」「脱経験的思考」「陰陽両面的志向」の5つの視点があるという。ここで述べられている「時間軸」の概念は、一流の経営者がよく口にするものであり、この「時間軸」を考慮に入れるのと入れないのとでは、物事のとらえ方が大きく異なってくるようだ。
また興味深いのは、鈴木敏文が「メタ認知」に優れているという指摘。これは、著者の言葉を借りれば、「自分の頭のなかに『もう一人の自分』がいて、今の自分の思考を、もう一段上から客観的に見て判断する」能力のことであり、勉強法で有名な和田秀樹も指摘している優れたビジネスパーソンの資質である。
このように本書では、優れたビジネスパーソンに必要なさまざまな資質・視点を紹介しているが、もっとも注目したいのは、鈴木敏文が日頃、いかにして情報をとらえ、その裏に隠された真実を見抜いているか、という点である。情報の先にある「顧客の心」にまで迫っているあたりは、さすが小売業界の重鎮。小売業に携わる読者に限らず、得るところの多い1冊である。(土井英司) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
この「セブン-イレブン」を創業以来30年間にわたって育ててきた現会長鈴木敏文氏の経営学を、そのユニークな発言を軸に分析・解説したのが本書だ。
「今の日本のどこが多様化なのでしょうか。私が商売を通じて見る日本人の姿は、明らかに“画一化の時代”です」「今、必要なのは先手を打つことではなく、いつでも変化対応できる体質を作っておくことです」などの言葉には重みがある。
一歩間違えば現場もデータも「本当のようなウソ」を語ると言う鈴木氏が、統計データから何をどうやって見抜くのか。問題意識の持ち方など、自分で考えることの重要性に改めて気付かせてくれる。
( 稲田由美子)
(日経レストラン 2002/12/01 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
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その鈴木社長から生まれる金言の数々は、それだけをとらえると一風変わって聞こえるものが多い。しかし、これらの金言集を通して、頭が固まってしまっている自分の発想方法に改めて、新しい空気が送り込まれ、顧客に対する気持ちが大きく変化したことを実感できた。
「不景気だから物が売れない」「客がどんどんわがままになってきた」と感じ始めているあらゆる業界の経営者,スタッフ,ビジネスマンに,今の時代を切り抜けていくために必要な視点を与えてくれる良書。
・上記を実現するためにはそれなりの統計が必要である
・また統計学を左右する一番の要素は心理学
・多様化の時代といわれているが、その瞬間瞬間をみたとき、日本は画一的な世界であることがわかる
・目指すべきところはお客さま視点のお店
・他店を真似するのではなく、本来どうあるべきかをすべて自ら考える
不景気やデフレという言葉が蔓延していますが、それは旧態価の仕事を続けている限りなくならなくて、破壊と創造を成し遂げてはじめて次の光が見えてきます。そのために自らを信じて突き進む(ただし考えの視点はあくまでもお客様視点であること)こと、突き進むための確固としたデータを揃えること、そして常に仮説と検証を実施することがこれから生き残るための策となるでしょう。
本書の中にはいたるところにインタビューなどを通しての鈴木さん談話がのっており、非常に理解しやすく、かつポイントをおさえていると思いました。
打倒セブンイレブンを目指す人、鈴木さんを知りたい人一読の価値ありです。
夏の甲子園は木内幸男監督の常総学園が優勝した。木内さんの野球も巧妙な「条件つき確率の操作」に秘密があるようだ。他の監督さんにはないほど、有用な条件つき確率のセットを豊富に持っていて、練習で選手に染み込ませ、試合で使い分ける。優勝は必然に近い。木内幸男さんは、高校野球界の鈴木敏文さんのように感じた。お二人とも傑物である。
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