著者のモチーフとするところ、定番となっている激安バックパック旅行の鈍行列車バージョンです。
一時はそういったバックパック旅行が記念すべき青春の1ページとして、トレンディーになっていました。
ところが、最近ではもっと気軽に、もっと楽をして旅をエンジョイするようになってきました。
そんな中で、点と点をスポット的に見て回るのではなく、線というルートで結びつけるのが旅というものであることを、自らが具現化しているのです。
それを主張できるところは、やはりイチ足すイチは決して2にはならない”情の豊かな”アジアでしかなく、ヨーロッパやアメリカではできっこなく、アフリカでは趣向が違ってくるのです。
時間が止まっているかのごとくスローな反面、喧騒のしんどい旅の中で、ホッとひと息する瞬間が訪れてくるのです。
ちょっとした会話、ちょっとした食べ物、すれちがいのひと、そのほのぼのとした姿とかたち。
旅行作家として、書き記すための旅行といえども、それを読む側の読者にとっては、内容が実に庶民的ではありますが、おいそれとできる行動ではなく、そんなところに雄大なロマンを感じざるを得ません。