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金門島流離譚 (Asia noir)
 
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金門島流離譚 (Asia noir) [単行本]

船戸 与一
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

いまだ中国・台湾間で帰属の曖昧な、現代史の生んだ“空白の島”金門島。藤堂義春は、日本を離れ、金門島と台北を拠点に偽造品ビジネスに手を染めていた。ある日、突然のように藤堂の周りに事件が起きはじめ、それは藤堂の知人を次々に巻き込み、ついには藤堂へと絡みついていく。次第に明らかになる、藤堂の抱える「ある事情」。事件は、いったいなぜ起きたのか…。表題作の他、台湾・瑞芳鎮を舞台にした『瑞芳霧雨情話』を収録。

内容(「MARC」データベースより)

現代史の生んだ空白の島、金門島と台北を拠点に偽造品ビジネスに手を染める藤堂の周りに、ある日突然事件が起き始める…。表題作のほか台湾・瑞芳鎮が舞台の「瑞芳霧雨情話」を収録。

登録情報

  • 単行本: 487ページ
  • 出版社: 毎日新聞社 (2004/03)
  • ISBN-10: 462010681X
  • ISBN-13: 978-4620106816
  • 発売日: 2004/03
  • 商品の寸法: 18.6 x 13.4 x 3.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By lemonerika 殿堂入りレビュアー
形式:単行本
300ページ強の「金門島流離譚」と150ページ程度の「瑞芳霧雨情話」の2編からなります。

「金門島流離譚」は、台湾と中国の所有権の曖昧な島「金門島」。そこを舞台に、密貿易を行っている「元一流商社のエースの日本人」が、主人公。各国のマフィアを巻き込んでの密貿易のトラブル、政治問題がらみのトラブル、過去からのトラブル、主人公は、生き延びることができるのか?という話です。

「瑞芳霧雨情話」は、台湾の田舎町でおこる復讐&悲劇の物語です。西部劇みたいな筋です。

格闘シーン、暴力シーン、戦闘シーンはほとんどないです。ストーリーの上手さは、相変わらずで、一気に読んでしまいました。特に、「金門島流離譚」の方は、次々襲い掛かる厄難、主人公の忘れかけた男のロマン(?)、人間の惰弱など、読み応え十分でした。スケールの面では、同じ筆者の別の作品には、及ばないところもあるかも、ですが、読みやすさ、良い意味でのシンプルがある印象です。

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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By くわもちじんぺい トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
 台湾を舞台にした裏社会の物語。金門島自体が、まるごと裏社会なのである。コピー商品の取引で成り立つ島なのである。
 過去を捨ててやってきた藤堂は、人生を立て直せるかに見えて、運命に裏切られていく。過去が彼の再出発を許さない。虚無的な人生観を抱いたまま、幻のような彼の人生は行き詰まっていく。

 今までの船渡与一の作品に登場するような、エネルギッシュな主人公とは全く違っている。まるで異世界のような、人権も倫理も羽のように軽い物語である。そこに陰を落としているのは、日本軍の台湾統治と二つの中国という歴史的事実である。
 船渡の描く(暴く)アジアは、面白い。

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By 蜻蛉
形式:文庫
台湾の金門島を舞台にした物語で、相変わらずの船戸与一の世界を展開している。

金門島の地政学上のややこしさ、そこで密輸にたずさわる元商社マンの日本人が主人公。そこでの救いようのない話である。

船戸与一の小説は、物語はフィクションだが状況は現実であるというように、大陸中国と台湾のはざまにある金門島の現実がリアルに描かれている。密輸やニセのブランド品や酒、武器がアンダーグラウンドのルートで世界各地に送りだされて行くようすがよくわかり、それで生計をたてている主人公の過去がここでその決着をつけざるを得ないという、船戸お得意の物語になっている。

ラストも人を殺して逃げてきた男女を逃がすまでは良かったが、「負のカタルシス」というかハッピーエンドにはほど遠いもので、実に気持ちが暗澹となってしまう。

同じ収録されている「瑞芳霧雨情話」は、日本人男子学生と地元の女子学生のカップルが客家の老人に、日本統治時代の台湾人鉱山労働の実態という卒業論文の取材で会いに行き、事件に巻きこまれていくという話である。ラストの銃撃戦で生き残る日本人学生の絶望感と寂寥。どちらかというと「負のカタルシス」はこの作品のほうが良くでているように思う。船戸与一の文体は独特のアクがあるが、それでもエネルギッシュでダークなパワーに圧倒されるのだった。
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