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「金門島流離譚」は、台湾と中国の所有権の曖昧な島「金門島」。そこを舞台に、密貿易を行っている「元一流商社のエースの日本人」が、主人公。各国のマフィアを巻き込んでの密貿易のトラブル、政治問題がらみのトラブル、過去からのトラブル、主人公は、生き延びることができるのか?という話です。
「瑞芳霧雨情話」は、台湾の田舎町でおこる復讐&悲劇の物語です。西部劇みたいな筋です。
格闘シーン、暴力シーン、戦闘シーンはほとんどないです。ストーリーの上手さは、相変わらずで、一気に読んでしまいました。特に、「金門島流離譚」の方は、次々襲い掛かる厄難、主人公の忘れかけた男のロマン(?)、人間の惰弱など、読み応え十分でした。スケールの面では、同じ筆者の別の作品には、及ばないところもあるかも、ですが、読みやすさ、良い意味でのシンプルがある印象です。
今までの船渡与一の作品に登場するような、エネルギッシュな主人公とは全く違っている。まるで異世界のような、人権も倫理も羽のように軽い物語である。そこに陰を落としているのは、日本軍の台湾統治と二つの中国という歴史的事実である。
船渡の描く(暴く)アジアは、面白い。
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