本書は金融について何かしらの論を唱えている本ではない。
むしろ本書は基本スキル系の「思考の型」、カタカナで言うところのフレームワークを使えるようになるためのトレーニングの本である。それを使えるようになって稼げるヒトになれ、ということ。そんな個人に語りかけているアクセントがあって、力に「」がついている。
フレームワークを使ってモノを考えると、楽でいい。思考をなるだけショートカットできるからだ。
ただそれを身につけるためには、ちょっとした訓練が必要で、普段から気をつけて実践するしかないので、この種の本は良い手助けになる。
で、この本の帯には
「金融コンセルティングの最前線で生み出された思考の「型」をマスターしよう!」
と、書いてあるが、実はこれには偽りがあってむしろ逆。
すでに古典である思考の「型」を金融の場で展開してみたらどうなったかを示してくれている。別にどれもこれも目新しいものではない。
ただ価値があるとしたら、やはり金融を実例にとっていること。
時に軽妙な文章から推察するが、金融業界には「俺たちの業界は特殊」という観念がある。そこにきて各種のフレームワークは製造業中心でできているし、金融主語で考えた場合にピンとこないヒトが多いのかもしれない。
そんなヒトに、この種のフレームがちゃんと使えるのだ、という実例を示してあげている。構成は、各章で1ある「型」の紹介→2他業界の例→3金融での例 となっており頭に馴染みやすいのでは。