論点は3つある。第1に99年夏以降、急速に進行した円高に対し、政府が為替介入を実施した場合、その介入によって市場に供給されたベースマネーを放置すべきか、それとも日銀が金融調節手段によって吸収すべきかという議論。第2がゼロ金利政策の行き詰まりを打開する政策として、99年夏から高まった「量的緩和」に関する議論。第3は2000年に入り、景気回復を示す経済指標が多くなる中、ゼロ金利政策の解除の条件を改めて論じるものである。
執筆者がそれぞれの立場、考え方に基づいて繰り広げる議論の応酬は迫力がある。ゼロ金利政策を巡る様々な主義・主張が俯瞰できる1冊だ。
(東洋信託銀行顧問 神崎 倫一)
(日経ビジネス2000/8/7号 Copyright日経BP社.All rights reserved.)
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レビュー対象商品: 金融政策の論点―検証・ゼロ金利政策 (単行本)
2000年7月の発行であるため、その後のゼロ金利解除と量的緩和政策は前提とされていないが、主要な論点がコンパクトにまとまっており、立場の異なる考え方を比較して理解しやすい。金融政策をめぐる議論に興味を持った人が更に理解を深めようとするきっかけにも好適。冒頭の岩田氏のコメント(当時の背景と各論文の概要について)で全体を把握しやすいことも良い。
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