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巷でも「ブラック=ショールズ方程式」に関する著作がたくさん出ていますが、この方程式もいわゆる「正規分布」という統計学上の仮定の下に成立しているものであり、精度の差はあれ、本質的には吉本氏が同書 の中で解説する算数による手計算と異なるものではない、という理論には勇気づけられます。
どんなに金融工学が発達しても値動きそのものを予測するのは極めて困難であり、これらの方程式もプロが取引する上での共通ルールを提示する(賭けの対象を値動きの大きさ、すなわち標準偏差(ボラティリティ)に絞る)のみで、ボラティリティ自身を予測するツールではないと、金融工学を盲信しがちな風潮に一石を投じています。
また、実際の資産運用面でも、オプションの売りを組み込んだ金融商品の危険性は勿論、住宅購入と株式比率を高めに持つことの関係や一般の外貨預金のデメリット等を、一般の評論家・マニュアルとは異なった視点で整理してある点もユニークです。
金融工学の原理は基本的にシンプルで理解しやすい物であり、それを高度にかつ精緻にしたのが実務で使われている技術である。しかし高度な精緻化が必ずしも儲けにつながるわけでもなく、一般人としてここまで知っていればいいというレベルを提示してくれている本です。
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