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金融史がわかれば世界がわかる―「金融力」とは何か (ちくま新書)
 
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金融史がわかれば世界がわかる―「金融力」とは何か (ちくま新書) [新書]

倉都 康行
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

本書は、世界の金融取引がどのように発展してきたかを観察しながら、今後の国際金融の展望を、実務的な視点から考えたものである。国際金融という場には、金や銀という一時代前の地金の問題や、中央銀行の役割、変動する為替市場、金融技術、資本市場といった現代的な問題が複雑に絡み合っている。これを網羅的かつ歴史的に捉えることを試みる。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

倉都 康行
1955年生まれ。東大経済学部卒業後、東京銀行入行。東京、香港、ロンドンで15年ほど資本市場業務に携わった後、バンカーストラスト勤務を経て97年よりチェースマンハッタンのマネージングディレクター。のちRPテック代表取締役、中央大学大学院経済学研究科客員教授、フィスコ取締役。日本金融学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 238ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2005/01)
  • ISBN-10: 4480062165
  • ISBN-13: 978-4480062161
  • 発売日: 2005/01
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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18 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 コンパクトにまとまった金融史, 2005/5/5
レビュー対象商品: 金融史がわかれば世界がわかる―「金融力」とは何か (ちくま新書) (新書)
最近の国際金融の移り変わりと、その中で生まれた金融技術の発展について、
コンパクトにまとまった良書です。

イギリスのポンド、アメリカのドル。固定相場制から変動相場制。
そして、そうした動きの中で生まれてきたスワップやオプションに代表される
金融技術。本書ではそうした近現代の金融取引の流れが実に要領よくまとまっています。

本書の特徴はやはり、筆者の持つ、実務家という視点であろう。
デリバティブズが為替変動性に伴って生じた価格変動リスクに対応するという、
市場の要請によって生まれたという件や、欧州金融再編の解説など、
今の金融を理解する上で必要不可欠な知識がわかりやすく説明されています。

欲を言えば、今後の国際金融の展望についての記述がもっとあれば良かった。
実務を経験した者が占う、ドルやユーロ、円、元の行方。
と言われただけで興味が沸いてきます。

ただ、それを差し引いても、中身の充実した、良質な一冊であることは間違いないでしょう。

これから金融を学びたいという方や、金融を知る取っ掛かりの本を探している方にお勧めの一冊です。

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22 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 久しぶりに面白い金融の本でした, 2005/2/7
レビュー対象商品: 金融史がわかれば世界がわかる―「金融力」とは何か (ちくま新書) (新書)
金融の近現代史を、金本位制からポンド中心、そしてドルの覇権からさらにユーロとドルの二軸へと、基軸通貨を視座の一つしつつ、解きほぐす。デリバティブなどの金融技術など、経済力とは異なる「金融力」というコンセプトをつかって世界の金融市場の成り立ちを考察している。類書のない金融史の書として読んでもよく、また、日本の金融市場のこれからを考える一つの手がかりともなる。
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32 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 金融力が基軸通貨を決める, 2006/7/22
レビュー対象商品: 金融史がわかれば世界がわかる―「金融力」とは何か (ちくま新書) (新書)
本書では今後の国際金融を展望するため、金本位制や金銀複本位制の時代に遡り、基軸通貨はどのようにして生まれ、また引き継がれていくのかといったところから話を始めている。

他の国に先駆けて産業革命を行い、経済大国・軍事大国になったイギリスの通貨ポンドは、金本位制の下、基軸通貨として使用されていた。その後第一次世界大戦により疲弊したイギリスではあるが、第二次世界大戦が起きるまではイギリスのロンドンが世界のマーケットであったことから、引き続きポンドは基軸通貨の地位を守り続けた。しかし第二次世界大戦でイギリスは大打撃を受けたため、同国の通貨ポンドは経済力・軍事力そして金の保有高も最高となったアメリカのドルに基軸通貨の座を譲った。

第二次世界大戦で疲弊したヨーロッパ経済ではあったが、ドイツを始めそれぞれの国が復興を遂げ、経済力をつけたことからアメリカの相対的な優位さは失われ、更にベトナム戦争など軍事的支出が増加したため貿易収支、財政収支が赤字になり、それとともにドルに対する信認も揺らぎ始めた。

やがてドルは金との兌換を停止し、変動相場制に移行したが改善は見られず、ドルの危機も囁かれるようになった。しかしそのような危機を乗り越え、現在もアメリカ・ドルは基軸通貨としての役割を担っている。一方1990年代に膨大な貿易黒字を抱えた日本の円は、基軸通貨になるのではないかといった事まで言われていたが、結局アジアの基軸通貨にさえ成れていない。著者によると、この差は「金融力」によるものであるという。貿易取引のためだけの金融の時代は終わり、現在は資本取引が中心である。つまり物の移動に伴うお金のやり取りよりも、資本取引から生まれる収益を狙うお金がマーケットの大半を占めるため、経済規模が大きいだけではダメで、資本取引に便利なマーケットを持つ国の通貨の方が有利なのである。アメリカのマーケットはスワップ、オプション、先物などデリバティブの技術が発達している上、格付け機関や不正監視機能など金融インフラが充実している、つまり他国よりも優れた「金融力」を持っていたため、貿易・財政という双子の赤字を抱えていても、ドルは基軸通貨としての地位を失わなかったのだと著者は分析している。

しかしこれからはドルだけではなくユーロも台頭し、ドル・ユーロの二極基軸通貨になるのではないかと著者は考えている。ユーロに統一されたことで、それ以前のようにマルク、フラン、リラ・・・など通貨ごとの為替変動リスクの管理が不要になり、資本取引がし易くなった上、ユーロに統一されたことによりマーケットが拡大し、アメリカのマーケットに迫る「金融力」を持ち始めたからである。

ただ、EUの中央銀行は、アメリカの中央銀行、つまりFRBほどの信認が得られていない点で見劣りがすると著者は指摘する一方、今後はこのような点に改善が見られれば、二極化はより明確なものとなるとも述べている。またBRIC’sと言われている国々の通貨動向からも目が離せないとも言う。

財政と貿易という双子の赤字を抱えるアメリカ・ドルが、基軸通貨としての地位を失いそうで失わない理由を「金融力」に求める本書の論旨は分かり易い。金融・経済を学ぶものだけでなく、コインコレクターにも本書をお薦めする。コインや紙幣が発行された時代の経済的・金融的事情が理解できれば、きっと収集にも深みが出てくるであろう。
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