人間は習慣が好きな動物だ。気づかないうちに多くの習慣を身につけて生活している。朝起きて歯を磨くのも習慣だし、米を食べるのも習慣だ。しかし、習慣だからといってあなどれない。イナゴを食卓に出されたらあなたは食べられるだろうか。著者は、日本で証券市場が発展しないのも株式を嫌う習慣(慣行)を身につけているからだ、と考えている。タバコや酒がなかなかやめられないように、株式を嫌う習慣というルールをやめるのも難しい。だから、様々な試行錯誤によって習慣を改める努力をしなければならない、というのが著者のメッセージだ。しかし、その一方で、金融ビジネスにはなかなか変わらない習慣(ルール)もあり、そうした習慣を知ることができれば、将来に対処しやすくなる、とも著者は考えている。金融ビジネスの歴史を辿っているのも明日を少しでも迷わないですごすためなのである。著者は法をも簡単には変えられないルールだと考えているが、この方面の分析は弱い。