, 2011/11/16
レビュー対象商品: 金融が乗っ取る世界経済 - 21世紀の憂鬱 (中公新書) (新書)
著者はイギリス人の経済学者。本書は日本語で執筆されている。しかもたいへん明晰な日本語である。
著者の専門はアメリカ、英国、カナダ、オーストラリア型の資本主義(アングロ・サクソン型資本主義)と
日本(およびドイツ)型の資本主義の比較である。
その結果つぎのことが導きだされた。
制度的構造の違い
(英米豪加)無名の当事者が取引しあう市場に統合されたシステム。
(日独) 知り合う、取引し合う当事者のネットワークに統合されたシステム。
人生観・動機付けの構造の違い
(英米豪加)自己利益の追求を、人間にとって当然の基本的な動機付けとして、
他人の利益追求を妨害しない程度に規制はしても自由雨に行わせるべきだとした思想。
(日独) もちろんお金はありがたいものだが、人間がなぜ一生懸命、かつ良心的に、創造的に
企業家精神を発揮して働くのかと問われれば、お金はその理由のごく一部に過ぎない。
仕事自体の充実感や、職場の結束、取引関係やその他の社会菅家から生まれる
義理や人情、さらに働く環境での権力や報酬の配分が公正であるかどうかといった
『公平感』などを重要視する態度。
で、これらの資本主義は1990年辺りまでは顕著だった。ところが「金融化」によってそれはもろくも崩れていく。
「金融化」しているかどうかの指標の一つはその国のGDPの割合が、銀行、保険、証券といった
金融業者にどれだけ湿られているかである。
私は考える。
金融化とは、つまり
グローバリズムに等しく、それは即ちアメリカンルール化であり、その根本は強奪資本主義である。
その実現の場、それが僕はTPPであると考える。上記に示したように英米豪加がTPPに加わるというのは正しくそうではないのか。
TPPはまた、安全保障上の重要な契約であることは間違いないが、米国は日本をこの安全保障上の盾とするつもりなのである。