この本の原題は、Brass playing is no harder than deep breathing,即ち「ラッパを吹くことは深呼吸と同じくらいカンタン」という強烈なタイトルなのだ。クラウド.ゴードンは、H.L.クラークという20世紀前半の世界的な名手の一番弟子であり、「自分はクラークから教わったことを伝えているだけ」だと公言して憚らなかった。もう物故して長いのだが、映像でみる限り強力である。
その彼の晩年の著作であるこの本は、奏法や呼吸法について百花繚乱の感のある現在のラッパ業界に対してビックリするくらい当たり前で真っ当なことが書かれていて、「確かに!」と思わずにはいられない内容である。ラッパが難しい楽器であることは間違い無い。でも、この本はラッパ吹きに重要な示唆を沢山含んだ名著。翻訳の杉山氏自身クラウドの弟子であり、その経験の生きた実に判りやすい、リアリティのある文面も我々関係者には説得力大。
ラッパ関係者必携。