この本、凄い。
沖縄本のジャンルを突きぬけてた。
著者は沖縄生まれ、東京で生活した後、沖縄に戻り、沖縄在住。東京を知っているウチナーンチュ。
わたしも沖縄生まれ、沖縄在住、本土にも10年住んだ。そして、沖縄のことをいろいろ知ろうと思って生きてきた(沖縄の民俗学専攻など)けれど、それでも、圧倒された。
沖縄のリアルが書いてあり、ふつうに生活している沖縄人でも知らないほどの沖縄の歴史・民俗が書かれている。
沖縄本はたくさんあって、小ネタを面白げに書いてある(ケンミンショー的に)のはいろいろあるけど、そういうのと、全然違う!全く違います!!!
沖縄移住本もたくさんあるけど、そこからも突きぬけている。移住するノウハウとうたっているが、それにとどまらない。移住して、どう暮らしていくのか、どういう生活が待っているのかを描いている。
沖縄で生活するだけなら簡単、わたしの職場にも本土からの移住者はたくさんいる。多い時は半分いた。那覇市やその近郊のアパートに住めばいい、東京や大阪、地方都市とほとんど変わらず暮らせる。そういうことじゃない。生活し始めてどういう生活になるのか、が、描かれている。
そして、情報量が半端じゃない。注釈がすさまじい。学術本か?と思うほど、細かく正確に書かれていて、それで、生の沖縄の体感温度を感じられる。
夜でも食べられるAランチの話が、小さなコラムに載っていた。ケンミンショーは、ここから拾ったのかな、と思った。
そんな、小さなコラムひとつで、TVのネタになる。
それが、2センチの厚さの本に、ぎっしり詰まっている。
1冊で出すのはもったいない、と思う。普通の沖縄本でいうと、少なくとも5冊分の内容は詰まっている。
マーケティング的には沖縄在住の著者、ということで売りだしているのかもしれないけれど、そういう単純なことじゃない。著者の沖縄への愛情、情熱、そういうものが、この本を突きぬけたものにしていると思う。
それだけじゃない。著者の、物書きとしての力量、これだけの情報量を読み物として、面白いものに仕立て上げる力量、それが、この本の内容を支えている。
あらゆる情報をくまなく拾うパワーも凄い。
離島生活については目新しく、視点も沖縄人からのものなので、沖縄人にとってはリアル。つまり、ほんとのリアルだ。
島にとって、どういうことが迷惑なのか、都会人は気がつかないことが書いてある。都会人は、ほんとに気がつかないのだ(友人がそうだった)。
もちろん、写真も多く、写真からの情報量も多い。
青い海、青い空、だけじゃない、沖縄の今の民俗を伝えている。
移住を夢見る人にとっても、沖縄病の人にとっても、読み物として呼んでいる人にとっても、見て、読んで、すごく楽しめる。知的にも刺激される。
とても価値のある本だと思う。
こんなに情報詰め込んで、出版社はもったいないとは思わないのか?5冊シリーズで出せるはずなのに?と思ったくらい。
沖縄本を読むなら、これを読むべし。
沖縄病でない人にとっても、読み物としても、とても面白いと思う。
凄い本です。