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10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
明晰な視点と解説,
By サチョルナム (関東地方) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 量子力学の解釈問題 (ブルーバックス) (新書)
訳者和田純夫氏の『シュレディンガーの猫がいっぱい』を読んで、多世界解釈がやはり最もわかりやすく論理的(というのは結構くせ者だが)と思えた。本書はそれをさらに詳しく説明しているが、量子論の様々な解釈を広く見渡し、非常に明晰な分析をくわえていて、類書の中でもわかりやすさという点でピカイチではないかと思う(といいながら、私にはついて行けない箇所がいくつもあったけれど)。 純然たる入門書ではないので、少なくともエンタングルメントとはどんなことか、ぐらいの知識を持っていないと話について行けないだろう。 もうひとつ、和田氏の翻訳者としての力量についても素晴らしいと言っておきたい。量子論関係の翻訳書も多いが、日本語のクセが鼻につく訳者もいて、手放しでほめられる書物は少ない。その点、この問題の専門家でもある和田氏の翻訳は日本語表現という点から見ても非常に優れていると思う。
9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
この内容で真に満足する読者はいるのか,
By だいり (神奈川県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 量子力学の解釈問題 (ブルーバックス) (新書)
物足りない。これが読後の正直な感想です。 『解釈問題』の名を冠したタイトルですが,副題にある通り,主に扱っているのは多世界解釈と呼ばれる物です。 本書には,「多世界解釈の現在の考え方の紹介本」「解釈問題の本質や歴史的経緯の解説本」「量子論の不思議な小話集」と,幾つもの顔がありますが,正直どれもこれも中途半端な印象です。初学者・専門家,何れを対象にした場合でも説明が不足していると感じる記述が多々ありました。自分も量子論のこの問題に関しては学生時代に少なからず触れたのですが,本書を読んでいて“もうちょっと詳しく説明してくれたらなぁ”と思った個所は少なくないです。 また,数式を使わずに量子論の説明をするのは非常に困難で,この手の解説本では様々な比喩表現に頼るのが常となっており本書も例外ではないのですが,誤解を招きかねない非常に危険なアナロジーが幾つかあったのが気に掛かりました。 ただ,多世界解釈の(ひいては量子論の)一番の問題がやはり「確率の導出」にあるという事を現役研究者の著書で再確認する事が出来て,個人的にはある意味ちょっと ホッ としました。 自分はもうこの手の勉強を本気でする事は恐らく無いと思いますが,やはりどうしようもなく“面白い問題”です。「今後もちょくちょくトピックを覗いてみようかな」と,改めてそんな気にさせてくれた点に関しては本書にとても感謝しています。
5つ星のうち 4.0
科学の進歩って,なんて素晴らしいのだろう!,
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レビュー対象商品: 量子力学の解釈問題 (ブルーバックス) (新書)
本書は,ニュートン力学はもちろん,アインシュタインの相対性理論からも不思議に見える量子力学の諸現象について,それらをどのように解釈すればよいかということを,量子力学の研究の歴史を辿りながら解説してくれる.手品といった身近な例にたとえながら説明してくれてはいるのだが,それでも理解するのは難しい.本書を一回通読してきちんと理解できる人は凄いと思う.本書が最も尤もらしい解釈として示しているのが「多世界解釈」である.例えば,あなたが宝くじを買う/買わない,買ったとして当選する/しないなど,この世は実に様々な可能性で満たされているわけだが,我々が実体験するのは,多数ある可能性のうちの,たった1つだけである.そして,我々は,我々が体験しなかった可能性は現実には存在しなかったと信じて生活している.しかし,多世界解釈は,そのような常識に異を唱える.すべての可能性は現実に存在しているのだと.宝くじを買ったあなたも/買わなかったあなたも,買って当選したあなたも/しなかったあなたも,すべてのあなたは実在しているのだと多世界解釈は主張する.残念なお知らせは,数多くの世界が実在しているにもかかわらず,あなたが宝くじを買ったが当選しなかった世界に,あなたは存在しているということだ.当然ながら,別の世界には,宝くじに当選したあなたが存在している.おめでとう! 量子力学といえば,シュレーディンガーの猫を思い出す人もいるだろう.箱の中の猫は生きているのか死んでいるのか,そのどちらでもあり,どちらでもないという不思議な話だ.コペンハーゲン解釈では,猫の生死を観測するまでは,いずれの可能性もあり,観測した瞬間に状態が収縮して,猫の生死が決まると考える.一方,多世界解釈では,生きている猫も死んでいる猫も実在している.ただし,その2つの世界は互いに干渉しない.つまり,どちらの世界も別の世界を知ることはできない. 科学の進歩って,なんて素晴らしいのだろう!
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