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量子力学の哲学――非実在性・非局所性・粒子と波の二重性 (講談社現代新書)
 
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量子力学の哲学――非実在性・非局所性・粒子と波の二重性 (講談社現代新書) [新書]

森田 邦久
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

世界の描き方はひとつではない!? 知的刺激にあふれる科学哲学の入門書が登場。

私たちや私たちの身の回りの世界をつくっている、目に見えないようなミクロなものの世界について記述するのが量子力学。ところがこの理論の示す「真の姿」を理解するのはとても困難です。アルベルト・アインシュタインも量子力学のある側面を受けいれられず「私たちが見ていないときには月が存在しないというのか」と語ったといわれています。本書では、量子力学の示す不思議な世界について解説し、これまで提案されてきたコペンハーゲン解釈、多世界解釈、逆向き因果などの様々な哲学的論議をわかりやすく紹介しています。

内容(「BOOK」データベースより)

世界の描き方はひとつではない!?コペンハーゲン解釈、多世界解釈、逆向き因果…知的刺激にあふれる科学哲学の入門書。

登録情報

  • 新書: 240ページ
  • 出版社: 講談社 (2011/9/16)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062881225
  • ISBN-13: 978-4062881227
  • 発売日: 2011/9/16
  • 商品の寸法: 17.9 x 10.9 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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By ともぱぱ 殿堂入りレビュアー トップ50レビュアー VINE™ メンバー
まず、光子一粒ずつ二重スリットに向けて飛ばす実験で、スリットに検知器をつけないと、干渉縞が現れ、光は波として振舞うが、スリットに検知器をつけたとたん、光子をいくつ打ちこんでも干渉縞は消え、集団としても波の性質が消える。マッハ・ツェンダー干渉計を使った実験でも測定という行為を行うと光は粒子として振舞い、行わないときには波として振舞うと考えざるを得ない結果となることにびっくり。軽々しく光の波と粒子の二重性を都合よく使い分けてきたが、測定するかしないかによって波(実在性なし)であったり粒子(実在性あり)であったりするミクロの世界を破綻なく「解釈」しようとする様々な試み、いわば量子力学基礎論をその最前線まで解説した本。

有名なシュレーディンガーの猫等の多くの思考実験、測定する度に宇宙が別れるという多宇宙解釈等を、ほとんど式を使わず説明してくれるが、ついてゆくのが大変。宇宙がたくさんできてしまう多宇宙解釈にはなじめないが、それは問題点を指摘して著者は否定的。しかし、未来と過去が握手して現在の状態が決まるとする説を著者は有力視しているから、因果の概念を揺さぶる、これはまさに「哲学」。

興味津々の話が盛りだくさん。何となくミクロの世界の驚異を実感できる。ただ、どうしてもわからないのが、―1という確率。これは計算の筋道を示してもらいたかった。

それと、現在は分子や原子の姿を捉えるまで「顕微鏡」が進化している。あれは電子の雲を視覚化したものと私は理解するが、そういった「測定」結果はどう説明するのか、知りたく思う。
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19 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By HistFM
私が文系出身故に特にそう思うのかも知れませんが、学生時代に理科・教養の自然科学で聞きかじった「粒子と波の両方の性質を持つ光(電子)」という理解しにくい概念について、最先端の専門家が(できる限り)平易な言葉で語った書。
量子力学の標準的解釈では、光はそれを「測定するまでは波として振る舞い、測定すると粒子として振る舞う」、即ち測定前には「波」として実在が確率的にしか表現できない光が、それを測定することによって実在の粒子になる「状態の収縮」が起きると主張されます。「状態の収縮」がいつ、どういうメカニズムで起きるのか?という点に対する解釈の紹介・解説が本書の主題です。
幾つかの解釈仮説の紹介、問題点の指摘がなされた後、著者イチオシの「時間対称化された量子力学」が結論的に紹介されます。「時間対称化された量子力学」は相対性理論の立場(未来と過去の時間を無差別的に扱う)に立ち、未来から過去に向う波(先行波)と過去から未来に向かう波(遅行波)が干渉して強めあい、波としての光が粒子(光子)として実在化すると説きます。相性が悪い(アインシュタインは量子論の世界観を嫌っていました)とされる相対性理論と量子論の統合の試みという意味でも、意義のある見方であるようです。
「波と粒子の二重性」というミクロ世界特有の難問を、時に脱線的話題をまじえてほぼ数式無しで、私のような素人でもなんとか理解可能なレベルで記述されている点に、研究フロンティアを担う若手(40歳)研究者である著者の力量を感じました。入門的新書としては読み応え抜群でお得感があると思います。巻末に予告されている著者らの手によるforthcoming『量子の謎:量子力学の哲学入門』(仮題、勁草書房)にも挑戦したいな・・・と思わされる一冊でした。
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2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
最近、欧州原子核研究機構がニュートリノを飛ばす実験で光速より速い結果を得たなどというニュースを知り、アインシュタインの特殊相対性理論が打ち破られるかもしれないから、SFの世界でしかありえない光速より早い物体「タキオン」もありか?と驚いていたら、今度は、量子力学の基本法則であったハイゼンベルグの「不確定性原理」に欠陥があることを、小澤正直・名古屋大教授と長谷川祐司ウィーン工科大准教授のチームが世界で初めて実験で発見してしまった。
私が荒唐無稽と思いながら読んだ『数学的にありえない』(アダム・ ファウアー著)の中で、物語の前提となっていた「ピエール=シモン・ラプラス」によって提唱されていた「ラプラスの魔」を、いよいよ信じたくなってしまった。
本書「量子力学の哲学」を読んでみたが、理数に弱い私などなどにとって難解な内容で、すべてを理解することなど到底無理であった。
が、著者の森田邦久氏が巻末で締めくくっていた言葉が興味深かったので「」内に引用します。

「現時点では実験的研究などで『時間対称化された量子力学』という新しい量子力学の『形式』を用いて研究し、『時間が未来に影響を及ぼすということだ』と哲学的に解釈することについては留保しているのである。しかし、私は哲学者であるからそういったことにかかわりなく勝手なことを言うが、『過去の状態と未来の状態が現在を与える』という解釈は、有効であると思うし、また、量子力学を離れた時間や因果に関する哲学にも新しい光をあてることができるのではないかと期待して、研究を進めている。」

高速より早いニュートリノの実験結果や不確定性原理の欠陥などのニュースを著者は知らない時期に、本書を刊行(’11年9月20日)しているから、この最新ニュースを知った上で本書の続編を書いてほしいと思いながら読み終わった。
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