入門書はどれも似たり寄ったりでいまいち歯ごたえがない。つまり、わかった気にさせてくれる
のですが、本当にわかったという実感が持てる本はなかなかないわけです。
本書はかなりわかったという実感が持てるようにさせてくれる本ですね。
ただし、本書の内容はかなり難しいものになっています。一度全部読みましたが、何度も
読み返す必要があります。
最初の2章は、量子力学の歴史の解説になっています。この部分は量子力学に多少なりとも
ふれたことのある方ならば、読み飛ばしてもかまわないと思います。
第3章以下は、アルゴリズムの解説になっています。普通のコンピューターがどのように
計算しているのか、量子コンピューターはどこが違うのかについて、詳細に説明してくれて
います。特に量子ビットの解説は秀逸ですね。これほどわかりやすく教えてくれる本はそう
ないでしょう。
また、重ね合わせの結果がひとつしかえられないのになぜ並列計算が可能なのかということ
についても本書は答えてくれます。
ただ本書を読むには相当の予備知識が必要だと思います。ペンローズの皇帝の新しい心の
チューリングマシンの解説部分やその他量子コンピューターの本に触れておくことをお勧め
いたします。