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野蛮な読書
 
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野蛮な読書 [単行本]

平松 洋子
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

これも、健啖。読書の快楽を味わい尽くす!
ドゥマゴ文学賞受賞から5年、食と生活のエッセイストとして活躍する著者が、読書の魔力をがぶり味わい尽くした名随筆。獅子文六、池辺良、沢村貞子・・・昭和から平成へ全101冊の芳醇をご賞味あれ。

内容(「BOOK」データベースより)

沢村貞子、山田風太郎、獅子文六、宇能鴻一郎、佐野洋子、川端康成…海を泳ぐようにして読む全103冊、無類のエッセイ。

登録情報

  • 単行本: 264ページ
  • 出版社: 集英社 (2011/10/5)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087714241
  • ISBN-13: 978-4087714241
  • 発売日: 2011/10/5
  • 商品の寸法: 19.2 x 14 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 83,755位 (本のベストセラーを見る)
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Amazonが確認した購入
食文化と暮らしのエッセイストとして活躍する、平松洋子。子供の頃から本に慣れ親しんでいる彼女が、「一歩も動かないのにどこかへ行ける」「本は時空間を突破する魔法の絨毯」……そんな風に、読書の魅力と魔力を独自の視点で描いた名随筆。

口語多用の軽やかな文体と大胆な比喩、鋭い分析と弾けた妄想。それらが渾然一体となった旨みが滲み出ている。そこから伝わってくるのは、著者が本の放つ魅力によって読む場所を選べる真性「本の虫」であること。開高健の『戦場の博物誌』をハンバーガーショップで読むくだりは、その最たるものだ。

随所で綴られる、食にまつわるエピソードがまたいい。無類の食道楽・獅子文六を「がじがじ齧ってみる」妄想や、女優・沢村貞子が26年間もつけていた『わたしの献立日記』をめぐる話は、ページをめくるたびに読書欲と食欲がミックスダブルスで襲ってくる。

個人的に興味深かったのは、第二章「わたし、おののいたんです」での宇能鴻一郎の段。宇能独特の一人称独白体で紡がれた、あの(むかしお世話になった)艶かしい言葉に、著者の見立てで新たな官能が注入されている。その他、山下清、池辺良、室生犀星、虫明亜呂無、坪田譲治、山田風太郎、佐野洋子など全103冊の本の旅へ、新しい発見を道連れに、味わい深〜くエスコートしてくれる一冊だ。
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By bias トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
見事な選択、見事な配列、見事な文章。
夢中になって貪り読んでしまった。こちらのほうが「野蛮」過ぎるくらいに。

本書は三章からなる。
一章は「贅沢してもいいですか」。二章は「わたし、おののいたんです」。
三章は「すがれる」。……以上を譬えれば、3つの絶品コース料理のよう。

まず一章は、能登半島への冬の旅や、伊豆での断食一週間ツアーなど、
非日常の中で、開高健、南伸坊を、あるいは、正岡子規を、読みふける。
帰っては、都市生活者として、森茉莉、幸田文の両雄を、さらりと並べる。
シメとしての田辺聖子、庄野潤三。周知の大作家の魅力を再認識させる手際。
一方、添え物のように紹介される、叶恭子(打ち誤りに非ず)や、太宰治。
イジワルなのでなく、真価を引き立てさせる配膳の妙、というべきか。

第二章は、荒川洋治という先達を前菜に、宇能鴻一郎、池部良、獅子文六。
いわば、ジビエも牧牛も養殖魚も回遊魚もありの、オールメインディッシュ。
食と性は同根とはいえ、「こんなにウマかった(巧かった)のか!」と驚くのみ。
シメは沢村貞子。平凡なようで、一品ごとに手数をかけた非凡な惣菜そのもの。
天下無敵の名文を味読させつつ、女優晩年の陰翳にふれる繊細な分析。

そして第三章。室生犀星、虫明亜呂無、池内紀、山田太一、深瀬昌久、
古屋誠一、ロラン・バルト、丸太祥三、三浦哲郎、棟方志功、佐野洋子……。
佳肴もある、珍味もある。単一素材としてはおよそ箸が延びない品もある。
しかし、著者ならではの絶妙の盛りつけによって、相互に妙味が引き立つ。

いったい、本好きにとって、好きな作家や愛読書を賞賛されるのは嬉しい反面、
「自分がいちばん知ってるのに!」と憤るアヤウサも、あるだろう。
だが本書は、違う。名人の庖丁さばき同様、対象のイチバン美味しいところを、
達意の筆で描き出してくれる。せっかくの好物を台無しにされる不満は、皆無。
むしろ今まで味わってきた食材の想像以上の滋味に、ほとほと唸ることになる。
さらに、今まで喰わずギライだった名品逸品の勘どころを、かくも鮮やかに
玩味させてもらうありがたさ。本書の意義は、ここにある。

名文はしかし、並べてくれた他者の著作にだけ仕込まれているのではない。
そう、著者自身の名言を、ほんの一口分だけ挙げれば……、
「生きるというのは、いつも宙ぶらりんなのだ。いつだって宙ぶらりんの状態
だから、なにごとか勃発すればあたふたおたおた、そこをなけなしの経験やら
知恵やら動員してどうにか波間を渡ってゆくのが人生というものだろう」(p278)

これは、最後半に出てくる言葉。このあと、本書の大トリである山田風太郎の、
至高の文章が紹介される。それは……それはどうか、皆さんご自身で、ご賞味を。
ちなみに、紹介される山田の著書は『あと千回の晩餐』。御馳走でした。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
■大変、質の高い読書随筆である。
■日々の暮らしや取材旅行の描写の中に豊かな読書体験が克明に綴られてゆく。それは優れた書物紹介であり、深い分析さえ成されるのである。
■名文の随筆としても、読書をめぐる私小説としても読むことが出来る。こんな形式の書評集を書き得るとは並みの技量ではない。
■とりわけ凄いのが、宇能鴻一郎についての考察「わたし、おののいたんです」。いやもう、腹を抱えて大笑いしました。
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